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部下とのコミュニケーション、言葉以外で必要なものとは? ジャパネットたかたの髙田元社長に聞く

髙田明さん7月毎日更新 Q18. 社員に何かを伝える際の方法を教えてください

ジャパネットたかたの創業者として、多くの社員を率いてきた髙田明さん。部下とのコミュニケーションをとる際に必要なこと、大事だと思うことを教えていただきました。

――社員の方に何かを伝えるときに、場所や方法など決めている方法やルールはありますか?

 どちらかと言えば、わたしはストレートに、全部をみんなの前で言うことのほうが多いですね。ただそれには一長一短があると思います。一対一で言わなければならないこともあるでしょう。

 いずれにしても、大切なことは人を感じることです。

 わたしの場合、基本的には自分の方針を信じて伝えようとしますが、一方で、伝える側の人がどういう状況なのかを敏感に感じ取って話すこともあります。社員の顔を見て、「あ、今日はちょっと元気ないな」とか「明るいな」とか感じたことを大事に、その場面に応じて話し方を変えてみています。

 ちょっと話が飛躍しますけど、上に立つ人の資質というのはいろいろと言われますよね。わたしは、この「人の心を感じる」人でなければ、うまく部下とコミュニケーションが取れないんじゃないかなと思っています。部下がこの一週間落ち込んでいるようだ、今日は素敵な洋服を着ているな、というようなことは、いつも向き合っていないと分からないことでもありますからね。コミュニケーションがうまくいかないことで、会社を辞めたいとか、仕事に前向きに取り組めないという原因になりますから、上に立つ人にとって、心を感じることはとても重要なんです。

 

 なんでもそうなんですよ。ジャパネットではコールセンターの社員も非常に頑張ってくれています。マニュアルがあって、それに従って対応をするのは当然です。でも、このお客さんは何が一番聞きたいんだろう、と感じることができないと、ずれた会話になってしまう。面白い話を聞いたことがあります。ハンバーガー屋さんに小学生くらいのお子さんが来店して20個のハンバーガーを注文しました。オーダーを終えると、店員さんは「食べて帰りますか? お持ち帰りですか」と聞いたそうです。マニュアルに書いてあるから言ったんでしょうけど、お子さんがひとりで20個もハンバーガーを食べて帰るでしょうか。人を感じることができていれば、こういう質問にはならないですよね。

 わたしたちがいくら頑張って伝えようとしても、コールセンターで取る電話がお客様との最初の接点です。買っていただいた後はカスタマーサービスが窓口。お客様の要望を感じることができないと、会社の顧客満足度を高めることができないんです。人の心を感じるというのはどんな人であっても、とても大事なことだと思います。

明日の第十九回の質問は、「Q19.社員教育で一番大事にしていることはなんですか?」です。

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髙田 明

たかた あきら

1948年長崎県生まれ。大阪経済大学卒業後、機械製造メーカーへ就職し通訳として海外駐在を経験。

74年に父親が経営するカメラ店へ入社。86年に「㈱たかた」として分離独立。

99年に現社名へ変更。90年にラジオでショッピングを行ったのを機に全国へネットワークを広げ、

その後テレビ 、チラシ・カタログなどの紙媒体、インターネットや携帯サイトなどでの通販事業を展開。

2012年には、新たな拠点として東京にオフィスとテレビスタジオを開設する。

2015年1月に「㈱ジャパネットたかた」の代表を退任し、同時に「㈱ A and Live」を設立。

2017年4月、サッカーJ2クラブチーム「㈱V・ファーレン長崎」の代表取締役社長に就任。

「㈱A and Live」社名の由来:今を生き生きと生きる世の中にしたいという想いから


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  • 明, 高田
  • 2017.01.13