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第42回 長野から中央線特急「ワイドビューしなの」で名古屋へ

長野駅から特急「ワイドビューしなの」で名古屋へ向かう旅。

長野駅で出発を待つ特急ワイドビューしなの

 

 

 

 

 

 

名古屋へ行くのに、酔狂な考えで北陸新幹線に乗車し、長野駅から特急「ワイドビューしなの」で名古屋へ向かった。
夕方までに到着すればよく、時間がたっぷりあったので、こんな「乗り鉄」をしてみたのだ。
「しなの」は、名古屋へ向かう先頭車両は貫通型、最後尾は流線形と顔つきが異なていて面白い。

長野を出るときは、かなり空いていた。
席は進行方向右側だったが、篠ノ井を出て、しばらくすると左側に見える最初の絶景ポイントは左側だ。
幸い、左手の席があいていたので、しばし席を移動して姨捨付近の善光寺平の眺望を楽しんだ。けれども、あいにくの曇り空で「日本三大車窓のひとつ」もぼんやりした状況だった。

日本三大車窓のひとつ姨捨付近からの眺め

 

 

 

 

 

 

松本、塩尻でかなり座席が埋まってきた。
そして、塩尻からは、いよいよ中央西線に入る。
そういえば、中央西線の木曽路を通るのは、ずいぶん久しぶりのこと。
車窓が楽しみだったのに、残念ながら雨が降り出し、景色が見にくくなってきた。

木曽福島駅に保存されている蒸気機関車

 

 

 

 

 

 

木曽福島では駅構内に保存してある蒸気機関車D51を発見。
懐かしい姿だ。
私が幼かった頃、中央西線は全線にわたってD51が活躍していて、名古屋市内でもD51の雄姿が眺められたものだった。
我が鉄道人生の原点である中央西線のD51は懐かしい。

雨は降ったりやんだりといった状況だった。
「しなの」は通過となる木曽福島の次の駅上松を出てすぐのところに広がる景勝寝覚ノ床は、長野行きの車窓からはよく見えるのだが、名古屋行きは、複線の線路が邪魔となり、イマイチよく見えなかった。

車窓から見える木曽川(野尻~十二兼)

 

 

 

 

 

 

このあと、延々と木曽川沿いの車窓が続く。
そして、中津川が近づくと、上下線が離れて木曽川を渡る。
ここで木曽川とはお別れ。あとは多治見に停まり、古虎渓、定光寺あたりの渓谷を除けば、都市近郊の車窓になっていく。

名鉄電車と並走して名古屋駅へラストスパート

 

 

 

 

 

 

名古屋駅に到着

 

 

 

 

 

 

庄内川、矢田川を渡ると名古屋の市街地に入り、千種(ちくさ)に停まる。名古屋の中心部栄や東部の住宅地へは地下鉄に乗り換えればすぐなので、かなり降りる。私は完全乗車を目指しているので、そのままだ。
列車は市街地を半周し、金山からは名鉄と併走して名古屋駅に到着した。

最近は新幹線で名古屋入りすることがほとんどだったが、中央西線での名古屋到着は新鮮そのもの。
懐かしい風景にも出会えたし、時間があれば再度中央西線に乗りたいと思う。

野田 隆

のだ たかし

1952年名古屋生まれ。日本旅行作家協会理事。早稲田大学大学院修了。 蒸気機関車D51を見て育った生まれつきの鉄道ファン。国内はもとよりヨーロッパの鉄道の旅に関する著書多数。近著に『ニッポンの「ざんねん」な鉄道』『シニア鉄道旅のすすめ』など。 ホームページ http://homepage3.nifty.com/nodatch/

 

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