「勝ちパターン」から抜け出せなくなった百貨店業界
【百貨店不況】を「日経ビジネス」記者・杉原淳一氏が徹底解説2/3
●インバウンド需要はどうなのか
シズカ…う~ん百貨店業界はこれからどうやって復活していくべきなのかな。
トオル…僕はインバウンド需要がまだあると思うんだよね。。一時的なものと言われていたけど、百貨店に限らず、あらゆるお店で外国人観光客にの姿を見るし。
杉原…たしかにインバウンドが下火になったという話もありますが、ここ数ヶ月の統計指標を見るとだいぶ盛り返しているようです。しかし、インバウンド需要が長引く程、毎回高級ブランドを買うような行動は減っていくと言われています。
シズカ…つまり、ブランド品や家電、雑貨を爆買いしてくれないってことかしら。
杉原…その可能性は大いにあります。そして外国人観光客が訪れる先も、東京や大阪、名古屋といった百貨店のあるような大都市ではなく、例えば岐阜の山中などになるかもしれません。「モノからコト消費」に変化しつつあるという見方もありますし、自然や文化を体験するケースも増えていくでしょうから。
トオル…。なるほど。今はインバウンド需要の恩恵を受けていても、長く続くかはわからないってことですね。
杉原…中長期のトレンドとして、インバウンド需要が百貨店全体の売り上げを引っ張り続けていくかといえば微妙でしょうね。
トオル…じゃあ、一体どんな戦略を取ればいいんだろう?
(第3回に続く)