カープ2連覇へ。後半戦に鍵になるポイント
プロ野球後半戦へ。独走カープはこのまま走るのか
カープ連覇へ欠かせないベテラン力
オールスターも終わり、プロ野球はいよいよ後半戦を迎える。楽天とソフトバンクが熾烈な首位争いを繰り広げるパ・リーグに比べ、セ・リーグは2位阪神と8ゲーム、3位DeNAとは10.5ゲーム差をつけた広島が独走状態に入ったように見える。
事実、今年もカープの打線はすごい。
チーム得点数437は圧倒的で、同2位の阪神が350得点。阪神より消化試合が1つ多いとはいえ、87得点差はまさに「神って」いるレベルである。当然、チーム打率.278、本塁打94、打点419はリーグダントツの1位。おまけに盗塁64までリーグ1位なのだから、その勢いを止めるのは簡単ではない。
カープの打線を支えるのは打撃コーチ3人。迎祐一郎、東出輝裕そして石井琢朗だ。異例の打撃コーチ3人体制は昨シーズンから敷かれる。この中でもっとも年長で、2000本安打を達成するなど実績が抜群の石井コーチも3人体制について、自身の連載コラム「タク論。」でこう書いている。
「迎、東出と打撃コーチ三人体制を取っているので、技術的なことはふたりがしっかり伝えてくれていますし、三人で情報共有もできていますからね。ふたりにはとても感謝してます。」(タク論。「打撃コーチの仕事。スランプの選手にどう対応するべきか。」より)
後半戦、カープにとってポイントはどこになるのか。石井コーチの「タク論。」ではベテランの力の重要性が説かれている。
新井貴浩がヤクルト3連戦で、2度小川泰弘を打ち、チームに貢献したことからはじまったこのコラムでは、昨シーズン優勝を果たすことができた「裏」の側面をこう分析する。
『昨シーズン、カープは25年ぶりのリーグ優勝を果たしました。そこには「タナキクマル」の平成トリオであり、神ってる鈴木誠也の爆発であり、投手陣で言えば、野村(祐輔)や中崎(翔太)の頑張り……と挙げればきりがありません。特に「表」に関しては、若い選手たちの活躍が目立ちましたが、その若い選手の活躍の「裏」には常に新井貴浩と黒田博樹の存在があったということです。
もちろん、どっぷりと裏方に回ってチームを支えていたわけではありません。黒田で言えば日米通算200勝を達成した上での10勝、新井に関しては2000本を通過点としながらの3割、101打点。挙げ句の果てには、シーズンのMVPと十分に数字、結果を残しての活躍で、それこそチームを牽引していたくらいです。でも、彼らの本当の存在価値はそこじゃない。若い選手の精神的支柱として、どれだけチームを支えていてくれたかということです。』(タク論。「ベテランの存在感とはどういうものか。」より)
新井貴浩は今年も健在。一方、投手陣の支柱・黒田博樹は引退をした。
『投手陣に求められることこそ、黒田イズムの継承です。それを誰が担っていくのか。昨シーズン限りで黒田が引退し、「黒田ロス」という言葉が聞かれるようになりましたが、今のカープで言えば、黒田の10勝のロスよりも、やっぱり精神的支柱の「ロス」を埋めることができるかどうかが大きな課題になるんじゃないか、と思っています。』(タク論。「ベテランの存在感とはどういうものか。」より)
その投手陣も、前半戦終盤から徐々に調子を取り戻しつつある。カープに死角はないのだろうか。後半戦は明日から始まる。