恋愛の失敗を相手のせいにしてしまうのは、「メタ認知」ができないから
アスペルガーの恋愛事情⑦
メタ認知を開発する
恋愛がうまくいかないとき、「自分が悪いんだ」と考える人がいる一方で、「あの男のせいだ」「あの女が全部悪いんだ」と、 根拠もなく相手に全責任を負わせるアスペルガー人もいます。
なぜうまくいかなかったのか、どこをどう直せばいいのかについて深く考えることなく、自分か相手のどちらかに「100%非がある」という偏ったものの見方をするのです。
これは、アスペルガーの人の「メタ認知」が開発されていないことが原因です。ここで言うメタ認知とは、自分の思考や行動を客観的に把握すること、ぐらいにとらえてください。
メタ認知が開発されている人は、失敗しても何が間違っていたのかを客観的に考え、行動を修正することができます。しかし、メタ認知が開発されていなければ、ただ「 ダメだ、ダメだ 」という否定的な認知に引っ張られるだけで、何も解決しません。それでは、次回も同じ失敗を繰り返してしまうでしょう 。
たとえば 、1回デートした相手から連絡が来なくなったとします。そのとき「ああ、 やっぱり自分は嫌われる人間なんだ」などと思うのはメタ認知が働いていないからです。自分に原因があったとしても 、それを人間性に求めるのは間違っています。
自分がダメな人だからというわけではなく、単に会話がはずまなかったからかもしれないし、目を合わせなかったからかもしれません。行動に原因を求めれば、次にデートするときは「うまく話せるようにしよう」「目を合わせるように気をつけよう」と、 建設的に考えられるのです。
恋愛に関するメタ認知を開発するためには、まず「自分の過去の恋愛パターンや行動習慣 」をリストに書き出します。そのリストが、次の「幸せな恋愛関係リスト」と「恋愛下手の言動リスト」のどちらに合致するか、一つひとつ照らし合わせてみましょう。こうすることで、自分の恋愛のどこが問題か、客観的に把握することができるようになります。