なぜ又吉直樹は芥川賞を取ったのか。なぜキョンキョンは講談社エッセイ賞を受賞したのか
『芸能人と文学賞』は7月25日より全国書店で販売
なぜ又吉直樹は芥川賞をとったのか
なぜ小泉今日子は講談社エッセイ賞を受賞したのか
なぜビートたけしも太田光も「直木賞」を狙っていると言うのか
1925年、芥川龍之介の1枚の写真が「作家=芸能人」と「文学賞」の歴史を宿命づけた
来年の芥川賞・直木賞は加藤ミリヤ、尾崎世界観、紗倉まな、あるいは星野源がとってもおかしくない!
文学賞80有余年「約束された」秘密の物語が今、ここに!
我が国唯一の「文学賞研究家」である川口則弘が書き下ろした
『芸能人と文学賞 〈文豪アイドル〉芥川から〈文藝芸人〉又吉へ』が
7月25日より全国書店で発売される。
芥川賞・直木賞。文藝の最高峰の賞たる由縁をたどると、そこには近代日本文学の「もう一つの顔」があった。80余年前、そもそも芥川龍之介が「アイドル」として流通されたのだ! が、時とともにざわつきが忘却され、戦後日本で文学が「権威」に変わる時、文学賞自体が逆に、芸能人たちを虜(とりこ)にし、翻弄した。「欲しい、直木賞!」の言葉が連呼され続けた。
そして2015年7月……又吉直樹が芥川賞を取ったこと、これは、あの80年前の文学賞の興奮、すなわち、芥川の時代の息吹を取り戻したことにあった。この「興奮」のドラマに「我も!」と手を挙げ、執筆したお笑いタレント・俳優・歌手・キャスター・放送作家・落語家・ポルノ女優文学と“深く"関わり、文学賞を目指した「文藝芸人」たちは以下の通りである。
又吉直樹、押切もえ、徳川夢声、森赫子、河上敬子、池部良、冨士眞奈美、高峰秀子、黒柳徹子、板東英二、なべおさみ、石原慎太郎、三島由紀夫、野坂昭如、藤本義一、利根川裕、阿川佐和子、中山千夏、阿久悠、高橋洋子、唐十郎、大鶴義丹、山口洋子、落合恵子、森本毅郎、椎名桜子、ねじめ正一、志茂田景樹、戸川昌子、中村紘子、山下洋輔、小泉今日子、松本伊代、大槻ケンヂ、辻仁成、なかにし礼、町田康、さだまさし、鈴木いづみ、うつみ宮土理、北原リエ、野村沙知代、松野大介、水嶋ヒロ、青島幸男、ビートたけし、桂三枝、タモリ、景山民夫、山田邦子、西川のりお、立川談春、劇団ひとり、太田光、などなど多数登場!
芸能人だと侮るなかれ!
食わず嫌い、読まず嫌いはもったいない!
めちゃくちゃスゲえ作品ばかりなのである!
≪目次≫
はじめに
第一章 現代の芸能人小説と文学賞事情
第二章 芸能人の小説が、文学賞と出逢うまで
第三章 俳優たちの文才が、文学賞を盛り上げる
第四章 作家のタレント化と、タレントの作家化
第五章 八〇年代に起きた大転換と大騒動
第六章 ミュージシャンたちの多彩な文業
第七章 文学賞に応募して小説の道に入る芸能人たち
第八章 お笑い芸人たちの大躍進