《自分自身》と繋がるワーク【久瑠あさ美メンタルトレーニング】第7回#1講評
自分自身の【過去】に向き合う葛藤
■トラウマと向き合うことが自らを成長させる
久瑠:甲斐荘さんと鈴木さんもそうですが、私のトレーニングでは、同じワークをやっても人によって全然違う結果が出てきます。
それが正解なんです。なぜなら「自分のマインド」に向き合ってもらうためのワークなのですから。
人それぞれマインドの形は違います。マインドに「正しい形」なんてものはない。ひとつの模範的な型に合わせようとするから、不自由になって何が自分なのかがわからなくなってしまう‥「これが自分です」という何かを探すことのほうが人生にとって重要なんです。
でも多くの人は「正しい答え」を求めたがります。これまでの人生の中で「自分は間違ってるのか正しいのか」っていうことを常に判断させられてきているので、その「正しい行動」からはみ出たところの自分を実は全部置き去りにしてるんですよね。
甲斐荘:(耳が痛い話です)
久瑠:私のワークは、「自分のはみ出たところも、大事な人生なんだ」と思うことのできるマインドポジションに持っていきます。自分のマインドの形は傍から見ると誇れるものではないのかもしれない。それでも本人にとっては他に一つとない、大切な自分自身なんです。
鈴木:(なんか自分に自信が出てきたぞ!)
久瑠:かつて躓いたことや、思い出すだけでも辛くなることが、ワークを通じて意識下に出てきたと思います。そういった体感が生じた記憶は、いわゆるトラウマの入口です。
自分がかつて負ったトラウマの扉を開けていくタイミングは、人生のなかでこれまでも、この先も出てきます。今回のワークで改めて出会って、触れた瞬間に消えていく程度のトラウマもあるし、触れたことで無自覚に悪化していた傷をなんとかしたいと思うきっかけになることもありますね。
もしそのトラウマの前で立ち止まって、「向き合ってみたいな」と思ったのであれば、今回のワークは自らを成長させていく良いタイミングになるでしょう。
逆に、今回はそこに触れても深くは入り込めずにいる自分がいたとしても、「そういう部分が自分にあるんだな」と気付くだけでも深い意味があります。
今回は向き合う勇気が持てずにスルーしたとしても、この先の人生送っていくなかでまた再会する機会はあるでしょうし、その時には「久瑠先生のワークで出てきた、あのときの違和感と同じ感じがする」と今回の体験が鍵になるかもしれませんから。
次に「現在役に立てていること」を100個書き出すワークに移りましょう。このワークを経て甲斐荘さんは、「肯定感が上がっていった」「こんな人(自分自身)と仕事してみたい」と気づかれています。自分を達観視できていますね。
甲斐荘:はい(これは本当にそう思ったんですよ)
久瑠:自分が役に立てていることを100個を書き出ししていくことによって、誰もがより具体的に自らを言語化できるようになっていくんです。
「どうしたらもっと喜ばれるんだろう」「どうしたらもっと受け手が楽になるんだろう」という甲斐荘さんの長所である観点もぐっと高まって、より鮮明になっていきましたね。
「自分は価値を作ってる」といった漠然とした言い方ではなく、「誰に対して」、「どこに対して」、「どの程度」の益を生み出しているか。言い換えると「あなたの「役」とは何ですか」という、どんどん突き詰めていく質問に、今なら楽々と答えられるんじゃないでしょうか。
まとめ:甲斐荘さんは「過去」のワークを通じて、「自分の役割」を言語化できるようになっていきました。 (次のページ冒頭で)「真っ当な脳」の落とし穴