たかがマダニ、されどマダニ ~ダニ媒介感染症。その症状や致死率は?~
【第31回】都内の美人営業マンが会社を辞めて茨城の奥地で狩女子になった件
■6~10日間も吸血し、3000~4000個もの卵を産む!
皆さんこんにちは! 茨城県でヨガのインストラクターの傍ら、新人農家&猟師をしているNozomiです。今回は、ダニの危険性やダニ媒介感染症について綴らせて頂きます。夏はバーベキューやキャンプ、登山などで野山を歩くことはあるかと思います。その時に虫にさされることもあるでしょう。その“虫さされ”が原因で、もしかしたら命を落としてしまうかも……? これからは暑さも揺らぎ山歩きがしやすくなる季節。貴方と貴方の家族を守るさめに、しっかりとダニの危険性・リスクを勉強し対策を立てていきましょう。私の拙い文章を通して、少しでも“狩猟”に興味のある方、すでに“狩猟”に携わっている方、そして何より“いのち”と向き合っている方のお役に立てれば幸いです。
【マダニってどんな虫? ダニ媒介感染症について知ろう】
さて今回は、マダニの話です。
「マダニに噛まれたくらいで死ぬ? そんな大げさな! ツバでもつけとけば大丈夫!」これは実際に私が登山やキャンプを嗜む父から言われた言葉です。皆さんも、そんな大げさな……と思うかもしれません。そもそもマダニとはどんな生物なのでしょうか?
マダニは700以上もの種類を待つ小さな虫で、幼ダニ→若ダニ→成ダニと脱皮を繰り返し成長していきます。成長しても体長は約3ミリ程度で、草むらなどに潜み、そこを通るヒトや動物などの体温や体臭に反応して飛びつき吸血行為を行います。吸血行為を行うと、体が大きく膨れ上がるのが特徴的です。吸血時間はとても長く、最大で6日~10日にも及びます。この長い間に約1mlに及ぶ大量の血液を吸血することができるというから驚きです。メスのマダニは吸血後最大3000個~4000個の卵(!?)を産みます(ぞわっ……)。また、この“マダニの吸血行為”はヒト、ペット、野生動物に対して皮膚病や重篤な貧血の原因になるだけでなく、恐ろしい病気を媒介してしまいます。
皆さんは「ダニ媒介感染症」という病気を聞いたことがありますでしょうか? 「ダニ媒介感染症」とは病原体を保有するダニに咬まれることによって起こる感染症のことです。
主な感染経路はダニに刺される事からですが、ごく稀に「ダニ媒介感染症」患者の血液や体液との直接接触による感染の報告もあります。さらに、2016年にはダニ媒介感染症にかかった野良猫に噛まれた50代女性が「ダニ媒介感染症」に感染、残念なことに発症から約10日後に亡くなったという事例があります。50代女性は特に重大な持病などは持っていませんでした。このように「ダニ媒介感染症」は健康な身体をも蝕み、場合によっては死に至らしめる恐ろしい病気なのです。
病原体を持っているマダニ類は全国に分布しています。すべてのマダニが病原体を持っているわけではありませんが、注意が必要です。なお“マダニ”は、食品等に発生する「コナダニ」やじゅうたんや寝具に発生する「ヒョウヒダニ」など住宅内に生息するダニとは種類は異なりますので安心してくださいね。