『うつヌケ』作者の知られざる傑作。『イかれポンチ』の“下ネタ”がぶっ飛んでいる
Q6.小社『CIRCUS』でも『イかれポンチ』連載をしていただきました。想定外の展開に、何よりまず編集部が楽しみにしていた企画でしたが、ネタなどの着想や発想はどういうところから生まれてくるのでしょうか。
「自分の中で躊躇はなかった」
――『イかれポンチ』のネタを発想する時、「これはさすがにやめておこう」みたいな感覚はなかったのでしょうか。
自分の中で躊躇はなかったですね。規制をとっぱらって考える一方で、押さえるべきところは押さえる。僕の場合、どんなにぶっ飛んでいても、残酷な方向には振れることはなかったですね。ひどいレイプであるとか、シャレにならない、笑えない方向に向かうことに対しては、自然にブレーキがかかりました。相手を無理やりヤろうという話ではなく、ヤりたいと思っている男がけっこうえらい目に合うというところで笑いを取りたいと思うのです。
――『イかれポンチ』を描いていた頃は、まさに鬱の渦中にあったわけですよね。
結局、そこに自分の居場所があったんですよ。自分が必要とされる場所があり、しかも何を書いても良いという自由度の高い状況が、鬱の重症化への歯止めをかけてくれていたのかもしれません。
僕は独身だし、当時は彼女もいなかったのですが、家族や子供がいる方は、その存在が生きがいとなり、鬱の重症化の歯止めになっている可能性はあるのかもしれませんね。
【第五回はこちら:『うつヌケ』作者の真骨頂は“下ネタ”にあり。こだわり続けた理由とは?】
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