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靖国神社で戦国を観る

季節と時節でつづる戦国おりおり第301回

 夏の東京戦国めぐり、第2弾。前回が猛暑ならば、今回は酷暑、です。靖国神社。我が祖父も一応祀られている筈なので、ご挨拶をしておきます。

 参拝が済めば、右隣の遊就館へ移動します。 

 昔とは違い、右手にモダンな建物が増築されて、遊就館も面目を一新しましたね。

 こちらでは12月10日までという長丁場で「甲冑武具展」を開催中。戦国時代から江戸時代にかけての鎧兜、刀、鉄砲などを拝見できます。なかでも出色は織田信長が用いたと伝えられる南蛮帽形兜。今でも金箔の跡がわずかに残っているということで、かつては全面が金貼りのピカピカな兜だったのでしょう。金の兜に黒いビロードのマント…ダンディな信長のいでたちが思い浮かびます。

 また、信長が上杉謙信に贈ったという上杉本「洛中洛外図屏風」や、島津忠直かと思われる人物から高山右近の子・忠右衛門に送った「鉄砲に余りにご執心のため、全て残さず教え伝える」と記した手形(右近がマニラに追放される2年前の日付)も必見。

 図録もありますよ。

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橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


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