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「宝」「当」「金持」…宝くじに当選しそうな珍名さん

珍名さん万歳(43)

■9月2日は宝くじの日

「宝くじの日」という記念日がある。宝くじを発行していた第一勧業銀行(現みずほ銀行)が1967年に制定した。宝くじの日は「くじ」の語呂合わせで9月2日とされている。制定された理由は、宝くじに当選しても当選金を受け取りにこないで時効になってしまうことが多かったため、時効防止のためであるらしい。宝くじの歴史は古く、古代中国では万里の長城建設費用捻出のために発行されたとの伝承もある。日本でも、昔は「富くじ」と呼ばれるくじが発行されていた。

「宝くじ」にちなんだ名字では「宝(たから)」や「当(あたり)」などが存在する。なんだか宝くじを買えば当選してしまいそうな名字である。他にも、大宝(おおたから・だいほう)・大当(おおあたり)・億(おく)なども宝くじファンにはたまらない名字が存在している。これらの名字は、宝くじが由来ではなく地名などが関係していると考えられる。また、「億」という名字は数字の単位が由来ではなく、もともと「奧」という名字であったもが何らかの理由で「億」に変わったと考えられる。宝くじ当選後に関係する名字では、十万(じゅうまん)や百万(ひゃくまん)・銭袋(ぜにぶくろ)・大金(おおがね)・財満(ざいま)・金持(かねもち)などがある。いずれも宝くじを買う人にとっては羨ましい名字である。しかし、ここ数年の高額当選者の名前のイニシャルで多いのは、男子はT.Kさん、T.Sさん、女子はM.Kさん、K.Kさんで宝くじに関係した名字ではなさそうだ。名字のようにいかないことが宝くじの「夢」なのではないだろうか。

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高信 幸男

たかのぶ ゆきお

名字研究家



1956年、茨城県大子町生まれ。高校の時から名字研究を始め、全国を旅しながら名字の由来やエピソード等を取材している。主な著書に『難読希姓辞典』『名字歳時記』『珍名さん』など。日本家系図学会員、茨城民族学会員、日本作家クラブ会員。


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