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名古屋人以外も知っていてソンはないまち〈小牧〉

名古屋地名の由来を歩く

再び歴史の舞台に上った「小牧」

 この小牧山が再び歴史の舞台に上がるのは、それから約20年後のことである。信長が本能寺で命を落としたのは天正10年(1582)のことだが、信長亡きあと、秀吉と家康の間が微妙なものになっていった。

 本能寺の変の翌年に当たる天正11年(1583)秀吉は賤ヶ岳で宿敵柴田勝家を討つことに成功し、ポスト信長には秀吉が頭角を現してきた。それに対して信長の二男信のぶ雄かつが対立するようになり、信雄は家康と同盟を結びついに小牧・長久手の戦いの火花が切って落とされた。

 秀吉はただちに犬山城を奪取し、他方の家康軍は小牧城に布陣した。双方のにらみ合いが続いたが、特に大きな戦闘はなく外交戦略を展開したといわれる。その後、秀吉は三河の岡崎攻めを敢行(かんこう)しようとするが、途中の長久手で敗退することになる。その経緯は「長久手」の項目で述べることにしよう。

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谷川 彰英

たにかわ あきひで

筑波大名誉教授

1945年長野県生まれ。ノンフィクション作家。東京教育大学(現・筑波大学)、同大学院博士課程修了。柳田国男研究で博士(教育学)の学位を取得。筑波大学教授、理事・副学長を歴任するも、退職と同時にノンフィクション作家に転身し、第二の人生を歩む。筑波大学名誉教授。日本地名研究所元所長。主な作品に、『京都 地名の由来を歩く』シリーズ(ベスト新書)(他に、江戸・東京、奈良、名古屋、信州編)、 『大阪「駅名」の謎』シリーズ(祥伝社黄金文庫)(他に、京都奈良、東京編)『戦国武将はなぜ その「地名」をつけたのか?』 (朝日新書)などがある。

 

 

 

 

 

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  • 谷川 彰英
  • 2011.10.08