座布団のヘコみ一つ見逃さない。加藤一二三氏が考える「本物の勝負師」とは?
加藤一二三さん9月毎日更新 Q4. 将棋の世界にも「駆け引き」はあるのでしょうか。
座布団のヘコみさえ見逃さない
大山名人といえばもうひとつお話したいエピソードがあります。対戦中に相手が中座しますと、相手の座布団のヘコみ具合を見たそうなんです。そしてもし、座布団の前の方がヘコんでいますと、「今相手は相当苦しいから前かがみになっている」と。
私なんか「座布団なんかどうでもいいでしょう」と思ってしまいますが(笑)。本物の勝負師とは、勝敗にとことんこだわり勝つためにはなかなか思いもつかないことを行動で示した人。そう考えますと、やはり大山名人は本物の勝負師ですし、やはり私なんかは勝負師ではないですね。
明日の第五回の質問は「Q5.「棒銀戦法」へのこだわりを教えてください。」です。