映画『関ヶ原』でも話題、謎に包まれた戦国の猛将・島左近
歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第22回 ~島左近~
続いて十二運星を見て鑑定していく。
・「帝旺(ていおう)」:
王様の星。統率力があり、まとめる力がある。また、王様が行き過ぎて頑固でわがままな面を持つ。
左近は軍をまとめるリーダー的存在。人に慕われる存在だったのだろう。しかし、一方で、上記にまとめた円グラフを見ると、性格に自立心を持っていない。自立心は「他人に依存することなく、自分が信じた道を突き進む強い精神性」。つまり一国の主である大名というよりは、三成の元で軍略家として働くといったような、ナンバー2的立ち位置がベストだったのだろうか。ただ、頑固でわがままな面のある王様の星「帝旺」を持っている左近である。せっかく提言した妙案を次々と却下する頭の固い三成に対し、もの申したい気持ちになったことだろう。
・「胎(たい)」:
赤ちゃんの星。好奇心旺盛で様々なことに興味を持つ。新規開拓が得意で飽きっぽい。理想を求めて満足できない面を持つ。
今回、鑑定するにあたり、左近のことを調べたが、三成に仕えるまでは不明点ばかりである。また、関ケ原の合戦で討死したと言われてはいるものの、その首級は見つかっておらず、生き延びた説も多く存在する。「京都の立本寺で僧になった」説、「鎌倉光明寺で僧になってその後細川家に仕えた」説、「東広島市に逃げ逃れた」説、「岩手県陸前高田市の浄土寺で余生を送った」説・・・それぞれにお墓や位牌、書物等が残っており、どれも確信が持てるものである。
このように謎が多いのは、好奇心旺盛で飽きっぽい性格から、あえて安定的な生活を避けてきたためだろうか。他の人達が考えつかないような行動を取ってきたのかもしれない。と考えると、関ケ原の合戦後、逃げ延びた説はやはり信ぴょう性が高いのだろうか。
・「病(びょう)」:
夢、空想が好きで、神秘的なものを好む。芸術センスに長けている。
「傷官」と相まって芸術的なセンスは抜群だったのだろう。神秘的なもの、スピリチュアル的なものを好むことから、宗教への憧れは強かったのだろうか。左近の旗には「鬼子母善神十羅刹女」と刻まれていた。鬼子母神(きしもじん)と十羅刹女(じゅうらせつにょ)は法華経の神々、諸天善神であり、仏教に深く傾倒している様子が窺える。そう考えると、逃げ延びた説の中でも、鬼子母神と十羅刹女を本尊として祀る、京都の立本寺で僧になった説が有力なのかもしれない。
「治部少(ちぶしょう:三成)に過ぎたるものが2つあり、島の左近と佐和山の城」という落首があるが、それほど左近は三成にとってなくてはならない存在だったのだろう。今回の鑑定で、攻撃力、行動力が強く、戦の鬼のような左近をイメージできた一方で、「帝旺」を持っていながらも自分の策がなかなか受け入れられない、左近のもどかしさを感じた。上映中の映画「関ヶ原」では、そんな左近を俳優の平岳大さんが演じる。不明点の多い左近をどのように表現するのか、期待が高まる。
古代中国で生まれた「過去、現在、未来」を予見する運命学のひとつで、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)をもとに、人が生まれながらにして持っている性格、能力、素質を理解し、その人の努力や経験で変わる後天的な運命までも予測することができる。
具体的には、生まれた日(生まれた年・月・日・時間)をもとに命式表(めいしきひょう)を作成し占っていく。なお、ここでは生まれた時間は鑑定に含めていない。
「国史大辞典」に記載されている生年月日を、「和洋暦換算事典」を用いてグレゴリオ暦に換算し鑑定している。
日柱の干支:その人の本質を表す重要な部分
主星(しゅせい):月柱の蔵干通変星で、その人を表す最も重要な星。主に仕事運を表す。
自星(じせい):日柱の蔵干通変星で、その人のプライベートな部分の性格を表す重要な星。
【参考文献】
・歴史をわかりやすく解説!ヒストリーランド http://history-land.com/shima-sakon/
・しばやんの日々 http://shibayan1954.blog101.fc2.com/blog-entry-425.html