中国の覇者・毛利元就の本城
郡山城跡を歩く〝広島県安芸高田市〟
ニッポンの歴史舞台を旅する⑦
約270もの曲輪を持つ
戦国期最大級の山城
「一本の矢は簡単に折れるが、三本を束ねれば折れがたい」 という〝三矢の訓え〟の逸話で有名な毛利元就。中国地方を一代でまとめあげ、西国の覇者として君臨した戦国大名である。
その元就が本拠地を置いたのが現在の安芸高田市。広島市街地から北東へ約45㎞の距離に位置する、自然豊かな都市だ。市内の中心に近い場所にそびえる小高い山が郡山で、この山全域が、かつての元就の本拠地・吉田郡山城跡である。
現在、この城跡に建物は残っていないが、270ほどもあった曲輪の跡などが確認できる。その規模は戦国期最大級のもので、中国地方の覇者・元就の居城にふさわしい壮大さだ。
城跡には元就の墓所のほか、毛利一族の祈願所であった清神社といった史跡が点在。山麓に近い場所には元就の亡骸を火葬したと伝わる火葬場跡がある。また元就が人柱に代わって埋めたという「百万一心」の石にちなんだ碑なども立つ。元就たち毛利氏の栄華の面影が宿る山城で、澄んだ空気を吸いながらのウォーキングが心地いい。
山麓に建つ「安芸高田市歴史民俗博物館」では城跡からの出土遺物、毛利一族の寺社への奉納品など貴重な史料が展示されている。城へ登る前に情報を仕入れておけば、楽しみが何倍にも増すはず。ぜひとも訪ねたい。
問い合わせ先
安芸高田市観光協会
TEL:☎0826-46-7055
URL:http://akitakata-kankou.jp/