70代のチャレンジャーも……なぜ暗闇エクササイズは流行っているのか?
クラブのような非日常空間でペダルを漕ぐことに集中!
エンターテインメント要素を
取り入れた最新フィットネス
暗闇の中での運動の経験は、大半の人はないだろう。だが暗闇にはメリットもあり、視覚への刺激が減るため感覚が研ぎ澄まされて集中しやすくなる。映画館で観る映画は、この効果を使ったものだ。昨今注目されている「暗闇バイクエクササイズ」は、その特性を活かしたもの。同サービスを提供する「フィールサイクル」のPRマネージャー、下渡恵子さんに魅力と効果について伺った。
「暗闇バイクエクササイズを、当社が2012年に初めて日本に持ち込みました。当初、クラブのような空間でカッコ良くフィットネスすることをコンセプトとしていましたが、実は暗闇という環境は日本人に適したものだと後で気づかされたのです。多くのジムは、明るくて鏡のあるスタジオが一般的。これだと、運動が得意な人やベテランは打ち込めますが、運動が苦手な人や初心者は慣れることができず、モチベーションを維持できなくなってしまう。そのため人目を気にせずできる暗闇は、好都合というわけです」。
次第にジム通いを敬遠していた層にも受け入れられた暗闇バイクエクササイズ。大切にしているのは、〝非日常〞の演出だそうだ。
「暗闇だと、まるで自分とインストラクターだけかのような集中できる環境になります。ですが、何となく周りに気配があることによって、程よい緊張感と集団レッスンの一体感も生まれます。そしてステージ上で動きをレクチャーするインストラクターは、誰でもわかる英語を使い、まるでクラブDJのようなパフォーマーになるのです。大音響ミュージックとともに演出する空間は、ほかのフィットネスでは味わえない、楽しみながら続けられるエンターテインメント性の高いものです」。
多岐にわたるプログラムは、脂肪燃焼をテーマとする3種類の「ボディバーン」と、より筋肉を鍛えるための4種類の「ボディシェイプ」に分別。さらに音楽ジャンルの違いや、インストラクターによって内容や進行が異なる。これら詳細なクラス分けも、人気の理由。自分に合ったインストラクターを見つけ出すのも、楽しみだ。
「70代の方が挑戦している例もあり、幅広い年代に受け入れられています。また平日は朝7時から夜21時台までレッスンしているので、多様なライフスタイルの方々に対応できます。週2回を3か月続けていただければ、きっとその効果を実感できると思います。ぜひ新しい趣味として、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?」。
専用の自転車を強弱つけて漕いだり、腕や身体を激しく動かしたりと、有酸素運動と筋トレの両方を一気に行う。体力的に厳しい場合は、途中でスピードを緩めてもOK。通常のエクササイズよりも短い45分間のレッスンだが、ノンストップのため短時間に高エネルギーを使う。
〈『一個人』2017年10月号より構成〉