リボ払いにカードローンの激甘審査。返済能力以上の借金を負わせる制度は異常だ
【借金問題】を藤田孝典氏が徹底解説2/3
カードローンの落とし穴は返済能力以上の借金ができること
藤田…加えて、クレジットやカードローンなど、“貸し手側”の仕組みにも、ある意味“問題”があるのです。
トオル…えっ! そうなんですか。具体的にはどんな問題が…?
藤田…ひとつは“利息”の高さですね。カードローンやリボ払い、消費者金融などの利率の上限は18%。もしその条件で100万円借りたら、返済額は最大で1年後に118万円にもなってしまいます。
シズカ…生活が苦しくて借金をする人が多い中で、高い利息はかなりの負担になりそうね。
藤田…そうですね。今借金で首が回らなくなっている人も、最初から高額を借りているわけはありません。冠婚葬祭で出費がかさんだり、高齢者なら医療費の負担が厳しくなったりと、急な出費があった時に数万円足りなくなって、3万~5万ほど借り入れるわけです。しかし、一般的には、借り入れが少額であるほど利率は高くなってしまう。
トオル…ただでさえギリギリの生活を強いられているのに、翌月に数万円も引き落とされるのはつらいなあ。
藤田…ですから、家計のためにまた次の借金をせざるを得ません。そうしてだんだん借入額が膨らんでいき、利息を返すだけで精一杯。元金が減らず、ずっと返済に追われ続けるパターンも珍しくありません。
シズカ…でも、生きている間ずっとクレジットやカードローンで足りない分を補填し続けるわけにはいかないものね。
トオル…返済が終わらず、カードや消費者金融で借金を重ね続けるとどうなるの?
藤田…お金を借りられるうちはまだいいのですが、そのまま負債を積み上げて、限度額一杯になってしまったら、カードが使えなくなってしまいます。私のところに相談にいらっしゃる方でも、カードが限度額に達し、生活が立ち行かなくなって初めて自分の置かれている状況が分かる、という人が後を絶ちません。
トオル…そういえば僕もリボ払いでいろいろ買ったけど、あといくら返せばいいのか分からないかも。
シズカ…だから考えなしにどんどん使っちゃマズいって言ったじゃない!
トオル…厳しいなぁ。考えなしってほどじゃないけど、どんなに借りても返済額は毎月変わらないわけだから、どれだけ借りたのかはなかなか分かりにくいよね。
藤田…利用者がきちんとリテラシーを持つことも大切です。でも、リボ払いのように、利用状況が把握しにくい制度がまかり通っているのも、借金問題を深刻化させているもうひとつの原因でしょう。