ひとつの提案。子供が欲しくない人は、60歳を超えてから結婚するといい
産まないことは「逃げ」ですか⑨
60歳超えてから結婚
この「子供が欲しい病」は女性だけでなく男性もかかるものだ。周囲が子育てに目覚め始めると、うらやましくなる。まるで「友達が持っているオモチャ」と同じように自分も欲しくなる。
自分の配偶者も同じ気持ちになっているのであれば、問題はない。ただし、実際にはこの温度が同じように盛り上がれない夫婦のほうが多いと思う。
夫婦といえども、しょせん紙の上だけだ。何が起こるかわからないし、気持ちがいつ変わるかも予測不能。お互いに同じ方向を向いて歩いていると思ったら、まったく速度が違ったとか、大きな道路だけを選んでいて飽きてしまったとか、後ろ向きに進み始めたとか、夫婦不和の例はたくさんある。
こと子供に関しては、ひざを突き合わせてとことん話し合うべきだ。それでも合わなければ、離婚するほうがお互いの幸せだと思う。
前述の離婚してスッキリした彼女は、独身の妹と暮らし始めた。妹には結婚願望が1ミリもない。「結婚して幸せになるのは奇跡だと思うんです。だって周りには失敗例が多すぎて、しかも結婚してからずーっとイライラしている女のほうが多いから」
子供が欲しくない人は、60歳を超えてから結婚するといいのではないかと思った。面倒くさい親もくたばった後で、子供をつくる・つくらないで意見の相違が生じることもないし、ある程度の貯えもあるだろうし、相手を慮る精神的余裕もある。
とうとうあの阿川佐和子が結婚したという話を聞いて、そういう選択肢もあるのだと教えてもらった気がする。不倫も貫けば純愛、初婚も還暦過ぎれば平穏。そう思わない?
〈『産まないことは「逃げ」ですか?』(著・吉田潮)より構成〉
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