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揺らぐ教師の存在意義。いま求められるのは『学び合い』だ

ネット教材の発達は脅威。生身の教師、教室でしかできないことを

上越教育大学教授・西川純氏は、昨年上梓した著書『学歴の経済学』の中で、学歴の持つ意味、そして従来の教育の形が大きく変質すると説いた。そしてこれからは教師の存在意義も問われる時代になるという。教師たちが直面することになる脅威と、求められる新たな授業の形とは。

■これからの時代、教師は70万人も必要なのか

 

 教員養成大学で教鞭をとり、教師の卵たる学生たちを日々指導する西川氏をして、これからは教師にとって厳しい時代になるのだと言わしめる。その言葉を重く受け止めたい。ひとつは需要と供給の問題だ。端的に言って、ニーズに比して教師の数が多すぎるのだ。

「少子化で子どもの数が減ります。そしてこれから様々なネット上の教材なども使えるようになってきます。果たして教師がいままでと同じくくらい必要なのか、どれぐらい先か分かりませんが検討せざるを得ない時期が来るでしょう。お金の問題もあります。日本の国家予算でかなりの部分を占めているのが教師の給料です。小学校・中学校・高校の教員の数は70万人規模で、自衛隊員よりも多い人数に給料を払っている現状があるのです」(西川氏)

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