「大阪都構想」の真実~「何となく賛成」の方にこそ知って貰いたい「大阪市廃止」という事実〜(藤井聡)
「大阪都構想」は壮大な誤魔化し!? 京大教授藤井聡が暴く!
■これは誠に由々しき事態……。
そもそも「大阪都構想」という言葉は、それを字義通りに読めば「大阪を都にして、繁栄させる構想」というイメージを喚起しますが、この「呼び名」からして「デマの類い」なのであり、そして、多くの一般市民がそのデマに欺されている状況にあるのです。
そもそも住民投票で可決されたとしても大阪府の名称は「大阪都」にはなりません。しかも大阪市を廃止したからといって大阪が繁栄する必然性などどこにも無いのです(むしろ、衰退する見通しの方が濃密なのが実態です。例えばhttps://gendai.ismedia.jp/articles/-/42509)。
こんな状況での住民投票は、極めて「危険」と言わざるを得ません。ついては筆者はこの度、一人でも多くの方に、大阪都構想の中身と真実をしっかりと認識頂くことを企図して、
https://www.amazon.co.jp/dp/4899920725/
を出版致しました。
筆者はこの本の中でまず以下の「事実」を詳らかに論じました。すなわち、いわゆる「大阪都構想」とは、
①「大阪市を廃止」して、
②2000億円の「財源と権限」を大阪府に吸い上げさせ、
③「分割」して4つの特別区をつくる行政改革
という「大阪市廃止・分割」構想だ、という「事実」です。つまりそれは比喩で言うなら
「大阪市という会社を潰して分社化して、親企業(大阪府)に組み入れる」
という種類の構想に過ぎないのです。その結果、行政サービスレベルは下落する他ありません。
そう考えれば、「大阪都構想=大阪市廃止・分割構想」は、大阪市民にとって、論外の代物」以外の何ものでもないという実態が浮かび上がって参ります。それは、横浜市を廃止解体して神奈川都をつくろうとか、神戸市を廃止解体して兵庫都を作ろうというような話と全く同じなのです。そんな構想、まともな神戸市民や横浜市民にとっては文字通り「論外」の代物でしかありません。
にも関わらず、こうした都構想=大阪市廃止に拘わる実態は、推進派の特定政党からの情報提供は言うに及ばず、正式の行政の説明会でもほとんど説明されていないのが実態です。(例えば、厳密な検証論文としてはコチラを参照下さい。https://policy-practice.com/db/2_5.pdf)
これは極めて深刻な問題です。例えば米国の証券取引法では「記載につき誤解を避けるために必要な重要事項の記載を省略すること」それ自身を「詐欺」と定義しているのですが、この定義に従うなら、この大阪市廃止・特別区設置の住民投票を「大阪都構想の住民投票」と呼称し、大阪市廃止について言及しないのは、「詐欺」と言わざるを得ません。
にも拘わらず、こんなに深刻な疑義のある住民投票で大阪市民がその「リスク」ほとんど知らないままに、それを受け入れるような結果となってしまったとしたら―――日本の民主政治は激しく劣化することになるでしょう。そしてそうした民主政治の劣化は、確実に日本の国益を大幅に毀損することになるでしょう。
(※ 例えばこちらもご参照くださいhttps://foomii.com/00178/2020100923194371779)
だからこそ、こうした最悪の悪夢を回避するために今、最も求められているのは、
『都構想の真実』https://www.amazon.co.jp/dp/4899920725/
を大阪市民を含めた一人でも多くの国民が認識することなのです。
11月1日の投票日まで、時間は限られています。それまでの間に、一人でも多くの方が「都構想の真実」を認識し、その上で、大阪市民の理性的かつ冷静な判断下されんことを、心から祈念したいと思います。
PS1:この「大阪市廃止」問題、いわゆる「大阪都構想」の問題については、語るべき論点が山のようにあります。ついては、引き続き本メディアを通して11月1日の投票日まで、当方の学者としての所見を様々に公表し続けたいと思います。
PS2:その一環として既に公表した記事として、下記ご紹介さし上げます。ご関心の方はぜひ、ご一読ください。
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