「体感を言葉で具現化すること」で潜在能力は高まる【久瑠あさ美メンタルトレーニング】第9回#2講評
久瑠あさ美の「コロナ禍以後をいかに生きるか」Vol.9
■トレーニング #2出題 過去、現在の感情を捉える
それではここから、次のトレーニングを出題していきましょう。
まず、はじめのトレーニング「「自分が役立てている」を300個書こう」(本連載の第5回を参照)を実施し、まずは自分と向き合ってみてください。今回のトレーニングはそこからの発展となり、さらにもう一段引き上げていきます。書き出した300個の「役に立てること」を、自分の感情ごとに「色分け」していくことで、さらにもう一段引き上げていきます。
まずは、「過去、役に立てた100個」を、1.「快の感情」、2.「不快な感情」、3.「感情が何も動かなかった」の3つに色分けしましょう。
「感情が何も動かない」ということは、普通はありえないですよね。しかし始めのトレーニングで甲斐荘さんが書いてきた100個の中には、そういうものがチラホラ見受けられました。そこを掘り下げていくと、きっと面白いものが見えてくるはずです。
「現在役に立てている100個」は、「本当に自分が思ってること」=「must」と、「一般論で書いてること」=「have to」とに、さらに色分けしていきましょう。
「must」というのは、例えば「スポーツ選手が練習している」ような状況です。自分で決めた、自主的な「やるべきこと」です。
それに対して「have to」は、他者要請で仕方なくやってることです。嫌で嫌で仕方ないことも中にはあるでしょうね。「逃げ出したい」という気持ちが少しあるかもしれないし、無くても自分の人生にとって大差ないようなことです。
もうひとつ、本心からやりたいこと「want」を色分けしてもいいですね。多くの人にとって、いま起こっている現在に「want」を持ってくるということはなかなか難しいですが、それが出きるならぜひ色分けしてみましょう。
《まとめ②》
◉過去の結果は「快」「不快」「無反応」に、現在の結果は“have to” “must” “want” に色分けしていこう
■トレーニング #2 未来を具現化する
人生にとって何が大切か。それは究極「愛」なんです。愛がない行いでは人を救うことができないどころか、人を痛みつけ病ませることになりかねない‥‥ その「愛」を発見すること、つまり自分の潜在的な価値に気づくことが、生きることの核になるんです。
鈴木さん、甲斐荘さんは、このワークを通してちゃんとそういう次元に至っています。
ちゃんと「未来」の最後の1個までやり抜いたのは、私のみてきた研修生や塾生の中でも本当に優秀な結果です。「100個書いてください」と言われても書いてこない人は本当に多いんです。
真剣に、毎日何時間もワークに向き合ったのにどうしても出てこない人は、少なくない割合でいらっしゃいます。
例えば甲斐荘さんも、真面目に取り組む中で、「どうしても“未来”が出てこない」となりましたね。なんとか捻り出しても「自分と繋がってないな」と自身で感じていた。そこには、「一つ上の自分を超えた階層から、自らを受け止めている」という感覚・体感がなかった……しかしワークに取り組むにつれて、無意識のうちにだんだんと自分自身のマインドが上がっていきました。
そういった「上から降りてくる」感覚のはじめからの持ち主だけが、世の中で活躍する人になれるというのではないんです。ワークに向き合うことで心の階層を上げられたとしたら、結果的に同じマインドポジションに立てるんです。
そういった意味においては、甲斐荘さんは真面目だからむしろそれが災いして、さきに行った「「自分が役立てている」を書き出すワーク」ではなかなか「未来」に繋がれなかった。
しかしシートと向き合い続けたことで、ワークを通じて結果的には未来との繋がりを育てることができたわけです。その変化の過程は、これから取り組む人々にとってもとてもいい手本となると思います。
ワークを進めていくにつれて、「社会にとって、世界にとって、この時代にとって重要なことは何か」という観点に立つことができ、最終的には、自分でもビックリするような「未来」が出てきました。
「地球の視点」に立って自分を見ると、ミッションの中にいる自分が見えてくる。そこに自分は携わっていたい、それをやるのは他でもない自分なんだ、というところに来た時に、「ああ、これが自分か」みたいな熱いエネルギーを感じる。それが「種」なんです。