徳川家康に「何事もまず彼に相談する」と言わしめた、徳川四天王・井伊直政の人柄とは? |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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徳川家康に「何事もまず彼に相談する」と言わしめた、徳川四天王・井伊直政の人柄とは?

歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第24回 ~井伊直政~

○「食神(しょくじん)」とは?

 おおらかで明るく人気者の星。遊ぶことが大好き、おしゃべりで子どもっぽく若く見える。食神の特徴として、遊ぶことが大好きで、楽しくないことはやりたがらない。

「食神」を4つ持っている直政はこの性質がかなり強まっていることだろう。次々と戦功をあげた直政であったが、戦を楽しんでいたのだろうか。関ケ原の合戦では、軍の先方を任されていた福島正則を差し置いて突出。福島家家臣に「先陣は井伊ではない」と諫められたにも関わらず、「忠吉様(娘婿、家康の四男)の物見なり」と称し一番に敵軍に突撃したという逸話が残っている。ここまで来ると、もう戦好きとしか言いようがない。

○直政は八相局を持っている!

 上記に記したように、八相局とは、通変星の中に同じ星を4つ以上持っている人のこと。なかなか珍しく、50人に1人くらいのイメージだろうか?八相局の人は、とにかくスケールが大きくエネルギーが強い。人間は悪くないが、悪知恵が働き法律すれすれのことをやる、いわゆる政治家の参謀タイプである。直政の場合、食神を4つ持ち合わせていることから、食局の八相局となる。知能指数が高く、哲学者や医者等、物を考える仕事が向いているほか、デザイナーや画家等、繊細な事柄を追求するのに向いている。

 同じ食局を持つ芸能人として、嵐の櫻井翔さんがいる。エネルギー的には、アイドル、MC、俳優、そしてニュースキャスターと、幅広く活躍する櫻井翔さんに匹敵するものがある。また、歴史上の人物の中では、井伊直弼の裏方として活躍した国学者・長野主膳も八相局を持っていた。主膳は、安政の大獄において、直弼に一橋派や尊王攘夷派の志士の処罰を進言する等、直弼のブレインとして活躍したが、直政も同様に影響力を持つ人物だったのだろう。

 直政は、当主というよりも、徳川家の四天王の働きぶりが評価されている。甚だ大胆な活躍ぶりは八相局から来る強靭なエネルギーの影響だろうか。
天正4(1576)年、16歳の直政は家康のもと、武田勝頼軍との戦いで初陣を飾ったが、このとき真っ先に駆けて戦功をあげ、周囲を驚かせたとされる。また、22歳で元服し井伊家の家督を継いだ後は、家康に旗本先手役を任ぜられ、戦では先陣を切って本田忠勝らと功を競い合うようになった。これらの働きから武田家遺臣、山県昌景らを附属され、井伊の赤備隊を編成。その後の天正12(1584)年の小牧長久手の戦いでは最も多くの首級を上げ、「井伊の赤鬼」を称されるようになった。

 また、八相局といえば、政治家の参謀として活躍できるタイプであるが、もちろん、直政の働きも武功だけではない。外交面でも、大いに活躍した。例えば、関ケ原の戦いの前には、小早川秀秋、黒田官兵衛等、数々の武将を東軍に引き入れるべく書状を送っている。また、家康が秀忠夫人である江に宛てた手紙の中で、直政について、「直政は日頃は冷静沈着で口数が少なく、黙って聞いているが、局面では的確に意見を述べる。自分が考え違いをしている時は余人がいない所で物柔らかに意見をしてくれる。故に何事もまず彼に相談するようになった」と高く評価している。家康の参謀として、ブレイン的な役割を果たしていたのだろうか?

 八相局は、そのエネルギーと影響力の強さから、降りかかる障害も大きい。せっかく持って生まれても、委縮したり逃避したりして上手に活かせていない人も多い。実際、井伊家の嫡男として生まれた直政は、幼少期から今川家にその命を狙われ、出家も経験している。そんな中でも、直政は自分が背負った宿命に負けず、八相局をうまく活かした人物と言える。その裏には、直政自身の強い精神力と責任感はもちろん、養母・直虎の支えもあったのだろう。

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妃萃(本名:油川さゆり)

ひすい

青森県八戸市出身。慶應義塾大学 社会学研究科 教育学専攻 修士課程修了、同研究科 同専攻 後期博士課程在学中。2013年鳥海流・鳥海伯萃より四柱推命の指南を受ける。これまで500人以上を鑑定。多数の弟子を輩出。

元放送局報道記者。フリーアナウンサーとして、BS11の番組にレギュラー出演しているほか、ナレーターや司会として活動中。日本の歴史、伝統芸能を伝えるため、歴史勉強会、その他イベントを主宰。自身も大和言葉、辞世の句、武田氏と油川氏等について講演活動を行う。合同会社真己、共同代表。また、2016年6月から「カミムスヒ」というソングユニットで歌手活動を開始。手話検定3級、ホームヘルパー、視覚障害者ガイドヘルパーの資格を持ち、社会福祉活動に積極的に携わる。


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