なぜ私たちは「子供をもたない人生」を選択したのか
ともに40代既婚、子ナシの3人が語りあった。
9月20日「本屋B&B」で『産まないことは「逃げ」ですか?』刊行を記念したイベントが行われた。題して「産まない、もたない。でも逃げてない」。著者の吉田潮氏が、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏、コラムニストのサンドラ・ヘフェリン氏をむかえ、子どもを持たないという選択、そして自身が抱いた違和感について語り合った。そのトークショーから再構成する。
余計な人間関係を増やしたくない
中川(淳一郎:ネットニュース編集者) 子供をもたないという選択について考える上で、僕は「余計な人間関係」を増やしたくないと思っていました。僕は今44歳で、こうして吉田(潮)さんとサンドラ(・ヘフェリン)さんにお会いできました。それは自分で選んで得た、素晴らしい人間関係なんです。
しかし、当然子供がいれば、子供にも人間関係ができる。ママ友やPTAなどで親同士にも人間関係ができる。自分で選んでいない人間関係って、何が起こるかわからないですよね。そうしたものを自分は「余計な人間関係」としか思えなくなったんですよ。
例えば、妻が学校へ行ってPTAの役員になった、子供が当事者となる「いじめ」とかの問題で、「なぜ、この歳になってまで(自分で選んでいない関係性で)揉め合いに巻き込まれないといけないのか」って思うんです。
だから、「俺は子供いらん!」と言ったんですよ。みんな「選びたい」じゃないですか、自分自身の人間関係を。