大阪市住民投票の前に知っておくべき5つの事実
「維新の会」は大阪市民を騙してきたのか!?
11月1日、大阪市を廃止し特別区に分割することの是非を問う住民投票が行われる。2015年の住民投票で否決されたものが、再び大阪市民に問われることとなったわけだ。問題は「事実」の共有がおろそかになっていることだ。
直近の共同通信社の世論調査によると、賛成は43.3%、反対が43.6%で拮抗している。しかし、大阪府と市の説明に関し、70%が「十分ではない」と回答している。
要するに、よくわからないのに賛成したり反対したりする人たちが相当数いるということだ。
そこで、住民投票に行く前に知っておくべき5つの事実を挙げておくことにした。
【事実①】
メディアのミスリードにより誤解が広がっているが、今回の住民投票は「都構想」の是非を問うものではない。投票用紙や選管HPに明記されているとおり、大阪市を廃止し特別区を設置することに賛成か反対かを問うものだ。住民投票で賛成が多数を占めても、大阪が都になるわけではない。政令指定都市である大阪市が村以下の権限しかない特別区に分断されて、権限も自治も失われるだけだ。住民サービスは確実に低下する。
この「事実」を隠すために、維新の会は卑劣な工作を繰り返してきた。松井一郎は、市選管が投票用紙に「大阪市を廃止し特別区を設置することについて」と明記したことに対し、「『大阪市を廃止』ではなく『大阪市役所を廃止』とできないか」と注文をつけている。「事実」が大阪市民に伝わったら、よほど都合が悪いのだろう。
【事実②】
維新の会は、当初、「二重行政の解消」などにより年間4000億円の財源を生み出すのは「最低ライン」と言っていた。ところが、大阪府と大阪市が試算した結果は976億円。さらにその数字も橋下徹の指示による粉飾だった。この件について記者から追及された橋下は「議論しても仕方ない」と言って逃げている。結局、財政効果がマイナスになることがわかったが、前回2015年の住民投票直前になると連中は「財政効果は無限」と言い出した。
現在維新の会は「年間で1000億円の効率化効果」などと謳っているが、初期投資やランニングコストを計算すればマイナスになることは足し算と引き算ができれば誰でもわかる。これは大阪府・市による財政シミュレーションで確認することができる「事実」である。
【事実③】
大阪市が廃止されたら元に戻すことはできない。一方、維新の会は住民投票で否決されようが何度でも仕掛けてくる。前回も「最後のチャンス」「ラストチャンス」「このワンチャンスだけ」などと大嘘を繰り返していた。今回も、松井一郎も吉村洋文も「ラストチャンス」と言っている。いわゆる閉店商法詐欺だ。前回の住民投票後、吉村は「大阪市民の最終判断」として「重く受け止めたい」とツイート。しかし、結局は勝つまでジャンケン。維新の会は大阪市民を完全にバカにしているのだ。
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