京都VS東京 国宝対決の軍配はどちらに?!
国宝びっくり豆知識⑦
国宝には当局が押したスタンプ?
——国宝の鑑賞の仕方についてご意見をお聞かせください。
神居文彰( 以下、神居) 国宝は一つの基準ですから、良いものに多く触れられる機会だと思います。そして、国宝をどう見るか、どう扱うかは私たちの使命でもある。つくった人の意思、つくろうとした願い、それが伝えられてきた歴史と時間——。国宝の背景には、そういった、目に見えない大切なものがたくさんあると思います。
佐々木 文化財という目に見える部分は、まさに氷山の一角なのです。当時の考え方、成立背景など、多くのものが水面下にあるのです。その深淵をどのように伝えていくかは、博物館の課題でもありますね。
井上 私は国宝にはどこか当局が押したスタンプという面もあるということを、あえて言い添えておきたい。
例えば、正倉院の宝物は現在、宮内庁の管轄下にあり、それらが国宝になることはありません。国宝ではないから、つまらない文化財なのではなく、監督官庁が違うだけといった側面があるということも、忘れないでほしい。
国宝をある種の道しるべにして、自分自身で考えて水面下の部分に近寄っていく人が増えれば、素晴らしいことだと思います。
監修:京都国立博物館
〈『日本の宝』より構成〉
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京都国立博物館 開館120 周年記念 特別展覧会「国宝」
会期:2017 年10 月3日(火)〜11 月26 日(日)
会場:京都国立博物館 平成知新館
開館時間:9:30 ~ 18:00(金• 土曜日は20 時まで) ※入館は閉館の30 分前まで。
休館日:月曜日(ただし、10 月9日(月• 祝)は開館、10 日(火)休館。
観覧料:一般1500 円(1300 円)、大学生1200 円(1000 円)、高校生900 円(700 円)
※( )内は20 名以上の団体料金。高校生以下、障がい者とその介護者1名は無料(要証明)