初めて落語を見に行く前に、最低限知っておきたいことをまとめてみた。
【おもしろくてかっこいい「落語入門」:第1回】落語の魅力をトピックごとに解説!
落語を題材にしたアニメやドラマが放映され、東京・渋谷では定期的に
落語のイベントが開催され大盛況に。
“かっこいい着物姿”と、 “笑い”に、
ちょっと気になってる貴方に送る魅力満載の入門編!
なんで今、落語ブームなの?
ドラマやアニメにも取り上げられたことで
10代、20代にとっても身近なものに
「M-1グランプリはおもしろいけど〝落語〟って…」なんて思っていると大間違い。2017年の今、新宿・末広亭の「深夜寄席」や渋谷・ユーロライブの「渋谷らくご」といったイベントは若いひとで満員なのだ。落語家たちの伝統的な話芸を楽しむことができるだけでなく、笑いもある。江戸時代の物語を語りつつ、話の中に現代のテーマが見え隠れするモノもあったり。値段も安く(五百円〜 三千円程度)、気軽に見られる。また、アニメやドラマでも落語が題材に。今、落語が密かな「ブーム」なのだ。
初めて落語を見るとき知っておきたいこと
何人もの登場人物を演じ分ける究極の話芸。
そこを念頭に置くと、より楽しめる!
一人の落語家が、何人もの登場人物を演じ分けながら物語を進めるのが「落語」の大きな特徴。視線を切り替えたり、声の調子を変えたりして、 人物の違いを聞かせるのだ。 どんな人物でどんな場所なのか、聞き手はいろんなことを想像しながら聴いてゆく。道具は基本的に扇子と手ぬぐいだけ。扇子は箸や煙管(きせる)、筆などに、手ぬぐいは財布や煙草入れなどに見立てて用いる。着物も重要で、袂に手を入れて体をゆすると歩いている風に見えたり、襟元を触って女性を表現したりもできる。
【落語鑑賞で見るべき6つのポイント】
めくり
高座の横に、芸人の名前などが書かれた紙。「寄席文字」という寄席独特の書体で書かれるモノが多い。
高座(こうざ)
落語家の舞台のこと。客席から見やすいよう、舞台に平台などを敷き高くなっているから「高座」と呼ぶ。
ざぶとん
「寿」などの刺しゅうがしてある厚い座布団。紫が多いが、色が決まっているわけではない。
羽織(はおり)
二ツ目以上の身分になると着用を許される。威勢よく脱いで喧嘩の場面の演出などに用いる。
手ぬぐい
二ツ目以上が、江戸前のデザインや、一門の家紋、似顔絵など、オリジナルなものを作り配る。
扇子
真打昇進や襲名の時に名入りのモノ を配る。東京の落語家は七寸五分(約23センチ)の白扇を用いる。
※落語家の階級について…落語家には、上から順に真打、二ツ目、前座の三つの階級があり、前座の前に見習いという修業の試用期間もある。落語家はみな、真打をめざして厳しい修業を積むのだ。
まずはここまで押さえておけば、初めて落語を見に行くという人でも
十分に楽しめるはず。この秋ぜひ、あなたも落語デビューしてみては?