高校野球、隠れた名シーンがそこに……
スコアブック? 高校野球の魅力って? 2年目女子編集部員に分かりやすく説明してみました。(後編)
夏本番! ついに開幕した高校野球――って「夏本番」やら「ついに開幕」やら、なんだかものすごく当たり前のように使っているけど……高校野球ってそんなに人気なの?
人気だとしたら、それはなぜ?
ということで『「スコアブック」は知っている。』の刊行を記念!?して、甲子園を約30年にわたり取材し続ける著者の楊順行さんに、高校野球をほとんど知らない若手女性編集部員がその魅力について聞く、という(無謀な!)インタビューを敢行いたしました!
(注:たいへん支離滅裂なところがありますので、適宜編集担当の解説(!?)を入れております。皆さまに最後までお付き合い願えることを切に切に願っております……)
【プロフィール】
楊順行:よう・のぶゆき/1960年、新潟県生まれ。82年、ベースボール・マガジン社に入社し、野球、相撲、バドミントン専門誌の編集に携わる。87年からフリーとして野球、サッカー、バレーボール、バドミントンなどの原稿を執筆。85年、KK最後の夏に“初出場”した甲子園取材は47回を数え、観戦は2000試合ほどになる。春夏通じて37季連続“出場”中。ツイッターアカウント@nobuyukiyo
2年目女性編集部員:にねんめじょせいへんしゅうぶいん/2014年KKベストセラーズ入社。イケメン俳優に目がない。好きなスポーツはちょっとだけサッカー。歴史とアニメをこよなく愛す。
2年目女性編集部員(以下・編):……あと、お聞きしそびれていることが……
楊順行(以下・楊):いいですよ、なんでも聞いてください(笑)。
編:えーと、テレビとかで名シーンで取り上げられるところって、たぶん甲子園だとほぼ決まって来ていて、最近だと……最近でもないですけど、ゆうちゃん(斎藤佑樹投手)、マー君(田中将大投手)とかが私の世代からするとお決まりの名シーンで、あとは中田翔選手がホームランバコバコ打ってる映像を思い起こすんですが、そういうテレビとかでよく取り上げられる名シーンではなくて、スコアブックを見返すと、「ここはテレビでは見られてないけれども、実は名シーンだった」みたいな試合はありますか?
(すごくいい質問! だけど、彼女の敬称の使い方が分かってきた気がします)
楊:うーんとね、ぱっと言われると……テレビでは気がつかないところですよね?
編:去年だと、例えばスローカーブを投げるところがよく編集されて出てきたりとか、あとは機動破壊でしたっけ……? あれをよくニュースで見た覚えがあって。
楊:去年ねえ……あれ? 去年は2000何年でしたっけ?
(楊先生、ちょっとペース狂わされています)
編:14年です。
楊:そうか。例えば……(ページめくる)あ、これは、日本文理、サヨナラ2ランですね。こういうのはテレビとかではあまり紹介されないんですけど、ここ(対戦相手の富山商の8回を指差して)ですね、3対1なんですよ。この森田君っていうピッチャー、今法政大学1年生で結構投げてるんですけれど、それだけいいピッチャーなんですけど、代打を出したんですね、ここで。
編:あ、下げてしまったんですね。
楊:そう、それで勝負にいったんです。もう2点差だから、勝負にいったんですね、この富山商の監督が。それが見事に当たって、ヒットを打って結局逆転するんですよ。ただ次の回投げるピッチャーがいないんですよ。で、代わった投手が8回で1点差に追いすがられてしまって、その後、9回にサヨナラ2ラン打たれちゃったんです。そういうのは、この試合がネームバリュー的に地味だったのかもしれないけれど、出てはこないですね。
編:確かに、日本文理が強いっていうのは印象としてあるんですけれど、そこまで記憶に残ってないですね……。
楊:たぶんこれ、新潟勢と富山勢が初めて甲子園でやったんですよ。
編:あー!「北陸対決」!
楊:正直、県レベルで言うとどちらも甲子園でそこまで勝ち上がらないでしょ? それが去年、結構……敦賀気比も勝ち上がって、北信越勢が多かったですね。でも言われてみれば、テレビでやらないけどあのシーンっていうのは……なかなか出てこないなあ。
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