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監督が求めることと自分のやりたいこと。アントラーズで抜擢され、干された監督との付き合い方

岩政大樹が書き下ろす選手と監督の距離感

自分の人生に対して「不当」だと思っていた

   僕はそれを「不当」だと思っていました。決してセレーゾ監督に対して、ではありません。自分の人生に対して、です。

   セレーゾ監督は監督として自分のやり方を貫いたに過ぎません。僕もまた選手として自分のやり方を貫きました。「帰還」とはいえ7年の時を経ていたので、新監督としてもっとうまくやるやり方はあったと思います。しかし、僕もベテランです。僕にはそれも分かった上で「それまで続けてきた僕のやり方」で生きたかったのです。そしてそれが必ず、若い選手たちと新しいチームを作る上でセレーゾ監督のためにもなる、と考えていました。

   「不当」であるとは、ただ自分の人生に対して。僕が僕の人生に対して不当であると思える場合は必ず、その痛みに対比していい事が起こる。それを信じた先が、次の年にタイで成し遂げることができたタイトルでした。

   と、今となっては思い出話で振り返ることができますが、僕も散々揺れ動く中で過ごした時間でした。「自分だってまだまだ輝きたい!」そんな思いは当然ありました。ただ、若い時の「選手として成功したい」「輝きたい」が1番だった頃とは僕も違っていたんだと思います。

   それはある意味、僕がもうJリーガーではなくなっていた、ということなのでしょう。そして、「それでいい」と、「それが僕のやり方だ」と決めつけた時点で、選手としての成功はもう終わっていたということなのでしょう。

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岩政 大樹

いわまさ だいき

東京ユナイテッドFC

サッカー選手

1982年1月30日生まれ、35歳。187cm/85kg。ポジションはセンターバック。

山口県出身。周東FC、大島JSCを経て岩国高校サッカー部でプレー。東京学芸大学在学中に注目を集め、2004年鹿島アントラーズに加入。

2007年~2009年鹿島アントラーズのJリーグ3連覇に貢献。自身も3年連続Jリーグベストイレブンに選出される。

2013年鹿島アントラーズを退団。2014年にはタイプレミアリーグのテロサーサナでプレー、翌年ファジアーノ岡山に加入。

強さとクレバーさを兼ね備えたプレーでディフェンスラインのリーダーとして活躍する。2017年シーズンより関東サッカーリーグ1部の東京ユナイテッドFCに加入(コーチ兼任)。東京大学サッカー部コーチも兼任。

2016年シーズン終了現在で、J1通算290試合出場35得点、J2通算82試合で10得点。日本代表国際Aマッチ8試合出場。

2017年9月初の著書『PITCH LEVEL 例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法』を上梓。


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  • 岩政大樹
  • 2017.09.19