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なぜ今、日本ワインが人気なのか? 品質の高さの理由

日本ワインの産地を知ろう

◆知っておきたい日本ワインの主な産地

山梨県(ワイナリー数82軒)
~歴史ある甲州ワインを中心としたワイン造り~

 日本におけるワイン造り発祥の地。日本ワインの生産量は最大で約860万本を数える。ワイナリー数はゆるやかに減少傾向だが、いまだその数はダントツに多い。大手メーカー5社のワイナリーや家族経営の小規模ワイナリー、そして地元資本の中規模ワイナリーなど、新旧大小のワイナリーがひしめいている。赤ワイン原料として生産量が国内最大のマスカット・ベーリーAは半分以上、白ワインで最大の甲州ブドウにいたっては9割が山梨県産。
 

北海道(ワイナリー数34軒)
~冷涼な気候と広大な土地を活かしたワイン造り~

 日本ワインの年間生産量は約370万本で、日本で3番目に多い。長野県と並び、現在ワイナリー設立がもっとも活発な土地で、ワイナリー数は激増、30軒を超えた。最近では、異業種から参入した企業のワイナリーも見られる。またカリフォルニア出身のアメリカ人によるワイナリー設立に続き、フランスのブルゴーニュ生産者が函館でのワイナリー設立計画を発表して注目を集めている。冷涼な気候を反映し、香り豊かな白ワインも人気だが、最近はピノ・ノワールのワインもワインファンから脚光を浴びている。
 

長野県(ワイナリー数36軒)
~ヨーロッパ系品種の植栽も増えている~

 北海道と同様、注目すべき土地。日本ワインの生産量は約500万本で山梨県に次ぎ、生産量もワイナリー数も増加の一途。ワイン用ブドウ畑やワイナリーの多くは、盆地の辺縁部の高地に位置している。水はけのよさ、降雨量の少なさ、夜温の低さなど、気候条件にも恵まれて、メルロ、シャルドネなど、ヨーロッパ系品種の植栽も増えている。こうした畑は、将来ワイナリー設立を目指している人たちのものが多かったが、この2、3年は大手メーカーの開園も続いている。
 

山形県(ワイナリー数14軒)
~ブドウのポテンシャルの高さは注目すべき~

 日本ワインの年間生産量は約170万本と4番目に位置する。内陸部は長野県と同様、盆地気候のため、降水量が少なく夜温も低く、上質なブドウが穫れる。同県のブドウを求める県外のワイナリーも多い。北海道や長野県とは異なり、ワイナリーの設立は沈滞気味だったが、上山市、南陽市が特区に認定されたのを契機にワイン用ブドウの栽培面積も増えだした。ボルドー系品種、特にカベルネ・ソーヴィニヨンは日本有数の適地。また、デラウェアの栽培面積は日本随一。

〈雑誌『一個人』2017年11月号より構成〉

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鹿取 みゆき

ワインジャーナリスト

信州大学特任教授。ワインをはじめ農産加工物の作り手への取材を行い、「日本ワイン」の発展のために注力している。『日本ワインガイド 純国産ワイナリーと造り手たち』(虹有社)ほか著書多数。


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