【激裏不動産】日本だけの不思議な慣習『礼金』は誰の手に…《ウル技10》
納得できない商慣習を超えていく技[賃貸管理・大家編]
不動産の世界はしばしば海に例えられる。不動産に魅入られて挑戦した者の多くが海の底へと沈んでいった。それでも海に挑む者は後を絶たない。そこには見たこともない財宝が眠っているからだ…。
本記事は、不動産業界という大海を渡り、財宝を発見するための航海術を記した辞典であり、大手デベロッパー、大家、地主、ブローカー、地場管理会社の5人がそれぞれの立場で、奥深き賃貸の世界を語りつくしたものである【以下「全宅ツイ」メンバー参照】。
■人気物件には、なんでもかんでも手数料を乗っけちゃえ!
【仲介手数料倍増のウル技】 お部屋を案内したお客さまが部屋を気に入るじゃろ、マイソクの礼金0を1に書き換えてお客さまに見せるじゃろ、あとは空室に怯える大家にお前の懐は痛まないんだから別にいいだろとこうやってメールするんじゃ。みんなで幸せになろう。
どエンドくん(以下・ど):これもぼくが投稿したやつですね。とっぽい客付が勝手に礼金のっけてくるんですよね。大家としては礼金ゼロでいいって言ってるのに、勝手に礼金1ヶ月増やして、それを自分にちょうだいという。手数料1ヶ月と、AD1ヶ月、立地が弱いと2ヶ月、さらに礼金のっけで1ヶ月。お前たち何ヶ月欲しがんねん!
デベ夫人(以下・デ):オフィスの場合は借主側が仲介手数料払わない慣習があって、貸主側が家賃1ヶ月分を仲介会社に払って、その仲介から適当なレポートをもらう。その代金としてもう1ヶ月分払う。要するに貸主が両手にしてあげているの。最近はこのレポート料の1ヶ月が、どエンド君のADみたいに積み増しもされてるかな。
ど:ところで、でっかいSクラスビルのオフィスでも、まさか仲介手数料って1ヶ月分なんですか!?
デ:こないだ、坪3万円×8千坪っていうディールがあって…。2億4千万の2ヶ月で4億8千万円払ったよ。
ど:まじですか! いくら坪賃料が高かろうと、どんだけ広かろうと、1部屋は1部屋。1万倍の手間暇はかからないと思うんだけど(苦笑)。ということは、2億4千万円の賃貸が決まると、給料もドーンと増えるんですか!?
デ:うちは自ら賃貸だから、自社のオフィスにテナント入居させても仲介とは違って歩合はない。そもそもリーシングって、 昔買ったどっかの土地が減損したとかに比べると業績に対するインパクトは薄いから、全然給料には影響しない。大きいディールだとNFMに載る名誉(ブローカーが欲しいやつ)はあるけど、テナント側がリリース出す前に載ると怒られが発生して面倒だったりもするからな。
ど:仲手5万から5億まで…不動産世界は広大だなー。
赤すぐり:うちは「〝のっけ〞いいですか?(広告料を乗っけていいですか)」と聞かれても会社の方針で断ってます。
ど:ホワイトですね。断られたそいつ、電話の向こうでは「オレが交渉して礼金ゼロにさせましたよ!」とかお客さんに言って、自分の手柄にしてますよ、絶対。
KEYWORDS:
■本ページの使い方
本ページはツイッター上で、多くの不動産航海士たちから集められたウル技を、「賃貸管理/大家」「売買仲介/買取再販」「開発/建築」と3つのブロックに分けた上で、全宅ツイの幹部メンバーたちが検証・解説するものである。