《松浦鉄道》グロテスクなものほど美味い! これ美食の鉄則?【女子鉄ひとりたび】24番線
すべての鉄道を乗りつぶした唯一の女性芸能人が行く、西九州の旅4回目
■新メニューは裕子が考案?
と、まさか、たまたま訪問した店で、作者と出会ってしまった。
それと同時に頭の中で「チュクチュ~ン♪ あの日 あの時 あの場所で?」の名曲、小田和正さんの『ラブ・ストーリーは突然に』が流れた。
乗り鉄でいつも思うこと。もしこの日、この場所に来なければ、という突然が、私には仕組まれたように多すぎる。もしかすると旅先での出会いも、鉄道ダイヤのようにあらかじめ緻密に組まれていて、無意識に動かされているのかもしれない。
そしてあの謎のオブジェの疑問が氷解していく。
「松浦鉄道を盛り上げたくて、来た人を楽しませたくてね。ここ田平(たびら)は約4000種類の虫がいる昆虫の里。それをPRするためのカマキリで、次はトイレの上に巨大カブト虫を作ろうと思ってるよ」
この町が「昆虫の里」ということを初めて知った。隣の西田平(にしたびら)駅から徒歩25分の場所に「たびら昆虫自然園」があり、約3000種の昆虫が園内に生息しているそうだ。昆虫が苦手な私は、その数を聞いただけで背中がピクンと動いてしまった。大将は続ける。
「松浦鉄道、どうにか活性化させたいんだよね。地元の人が便利な車移動を選ぶことは、仕方がないこと。だから外からお客さんを呼びたくて、何か策がないかとアイデアを出すんだけど、なかなかうまくいかなくてね……」
ローカル線でアイディア策がヒットする背景には、必ず2つの共通点がある。まず1つ目は、どこよりも最初にやったことだ。
そして2つ目。アイディアを出し続けて、失敗しても次々とやり続けること。この2つが揃ったとき、必ず鉄道の神様は微笑んでくれる。
私はそれを、実際に全国へ足を運んで見てきたので知っている。
「大将がこの板前姿で乗って、車窓や地元アナウンスをしながら、このお店のお料理を出す『お刺身食べ放題列車』なんてどうですか? いまならまだどこもやってないから、話題になると思います!」
と、その場で思いつきのアイデアを話したら、
「おおっ! それいいねぇ?」と威勢のよい返事が飛んできた。
駅前のぶっ飛んだオブジェを作ったほどの大将だ。将来もっとぶっ飛んだ企画が生まれそうな予感がする。
(25番線へ続く)
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■松浦鉄道たびら平戸口駅で「女子鉄ひとりたび」絶賛発売中!
松浦鉄道さんのご厚意により、裕子の本を置かせてもらいました!
特別な特典はございませんが、旅の記念に、お土産に、もし見かけたら買ってくださいね。
■な、なんとこの夏も、水間鉄道に「女子鉄ひとりたび」ヘッドマーク電車が走った!
掲出日程:2020年8月11日~8月20日(10日間)
掲出車両:1003(青ライン/貝塚駅側)
走行日:8月11、12、13、16、17日