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おいしいカビと悪いカビ、その差って?

発酵食品に欠かせないカビ

 

食べていいカビと悪いカビがある

 ワインのお供といえば、チーズを思い浮かべるのではないだろうか。モッツァレラやパルミジャーノ・レッジャーノ、カマンベールなど、チーズといってもその原料や形状、味わいなどはそれぞれ異なる。

 なかでも、ゴルゴンゾーラチーズに代表されるブルーチーズは、ニオイが気になるもののワインとの相性がよく、ハマるとクセになってしまう。このブルーチーズは青カビによって熟成されたもの。つまり、カビの繁殖によって作られているわけだが、食べても人体に影響はないのだろうか。

 青カビには100以上の種類があり、餅やみかんなどに生えるのもこれだ。食品に発生したらまず廃棄するだろう。しかし、チーズに使用するものは無毒とされ、アレルギーを持たなければ食べても問題はない。
 世界初の抗生物質として知られるペニシリンも、青カビのおかげで発見されたという。このきっかけとなったペニシリウムは青カビの一種。カビというと汚い、危険というイメージが強いものだが、このように人類を救う一手を担っていることもあるのだ。

 日本の伝統食品にも、カビの力が使われている。味噌や醤油を作る際にもコウジカビというものが使われるし、そのおかげで絶妙な甘みや旨味が生み出されている。

 おいしいカビはたくさんあるが、やっぱり毒性の強いものが多いことを忘れてはならない。ちょっとくらいなら取り除けば大丈夫、なんて思っていても、じつは見えないところまで浸食していて、体に悪影響を及ぼすこともあるからだ。また、熱に強く、加熱処理しても死滅しないことも多い。

 悪いカビを食べてしまうと、肝臓障害やがんの原因となる場合もある。そのため、食品にカビが生えたら、残念だけど廃棄処分するのが安全といえよう。ブルーチーズのようなカビを使ったものであっても、別のカビが生えていれば食べないほうがいい。安全かどうかを見極めることは素人には困難なので、じゅうぶんに注意しよう。

 『一個人』2017年11月号では、「ワイン&チーズ」と題した特集を組み、ワインとのマリアージュを楽しみたいチーズを多数紹介している。ここで紹介されているチーズは「おいしいカビ」を使ったものなので問題なし。安心してワインとともに楽しんでほしい。

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