東急池上線、半日かけて沿線散歩
短いにもかかわらず、見どころの多い路線
しばらく池の畔でボーっとした後、駅に戻る。池上線に一駅乗って石川台駅で降りたのは、この先に池上線の有名撮影地があると聞いていたからだ。
さっそく、線路に沿って歩いてみる。降りてみて気付いたのだが、下り坂となっていて、小さな呑川を渡ると今度は上り坂。地図では分からなかったアップダウンにくたびれた。少し距離はあるけれど、隣の雪が谷大塚駅から歩いて方がラクそうだ。上り坂を登りきったあたりの踏切近くで構えると五反田から築堤の上を走ってきた電車がきれいにカメラに収まった。
そのまま雪が谷大塚駅まで歩き、今度は池上線沿線の「生活名所」としてチラシに載っていてテレビでも紹介された明神湯という銭湯を訪ねてみた。駅からは15分程のところにあったのは、映画やドラマのセットのような由緒ありげな昔懐かしい建物だ。よく残っていたものだと感動してしまう。まだ、銭湯に入る時間ではないし、温泉ではないので建物だけ眺めて満足した。
来た道を戻るのもつまらないので、少し先まで歩き東海道新幹線の線路に沿って御嶽山駅まで歩く。やはりアップダウンのある道で、そのため一瞬新幹線の車両が見える地点があった。おりしも、新幹線電車N700系が高速で通過していく。うまい具合に撮影できてラッキーだった。
三角屋根の御嶽山駅から、一旦雪が谷大塚方面へ戻り、再び蒲田方面へ進む。こうした行ったり来たりは東急ワンデーオープンチケットという一日乗車券(660円)を買ったからできるのだ。
次の途中下車は池上駅。日蓮宗の大本山池上本門寺の最寄り駅である。この参拝客を運ぶために90年前に誕生したのが池上線(当時は池上電気鉄道)だから、この駅を無視するわけにはいかない。途中下車し、参道を歩いてみた。当日は、日蓮聖人が亡くなった命日に営まれる御会式の日にあたり、参道は露店が並び賑わっていた。
池上駅から2駅で終点の蒲田着。かつての東横線渋谷駅を彷彿とさせるドームに覆われたターミナル駅。東急多摩川線も乗入れるので4番線まであり、終着駅にふさわしいスケールだ。今のところ改築などの噂はないから、この情景はしばらくは安泰であろう。
半日かけて散策した池上線沿線。御嶽神社など見逃した場所もあるけれど、またの機会に取っておこう。通しで乗っても20分少々と短い路線にもかかわらず、なかなか見どころの多い池上線。マイナーな路線だけに新たな発見もあり、まだまだ楽しめそうである。
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