人間の知識は不完全であり、天地自然の法則「道」TAOを認識することが明である
定本「老子道徳経」の読み方 早島天來編より 人生を最高に生きる老子の言葉 第二十一回
★自然と親しみ、若返ろう
私たちは、二本足歩行をすることにより、脳が発達し、文明を発展させてきましたが、『老子』に言わせれば、しょせん人間の到達する知識や知恵というのは不完全で、ものごとの表面をとらえたものが多いのです。
そんな人工的な知識より、自然に目を向け親しむことが、脳にも、体にも良い効果があることでしょう。年を重ねてもなお、脳や体を活性化し、つねにみずみずしい柔軟な生きる力をもって、人生を生涯現役で生きたいと願う人にとって、自然はすばらしい先生なのです。
そして、青空に流れる雲、また日々生長する樹々の様子を観察すれば、この世の中は常に変化することで、自然の調和を保っていることがわかります。また、都会のコンクリートの中に生きる樹々も、過酷な天候や環境の中で、自然に与えられた力を精いっぱい使って、太陽に向かって一心に生きていることがわかります。私たち人間も、もう私はこんな年だから、なんて言っていられませんね。自然に学べです! 忙しい現代社会の中で走り疲れた私たちにとって、自然とともに、その季節の変化を感じ、観察し、楽しむことが、脳にも、心にも、体にも非常に良い影響を与えるのです。
まさに季節は春たけなわ、樹々は葉を広げ、日に日に緑の色を濃く生長してゆくこの季節は、私たち人間も、さらに成長するチャンスです。これまで少し躊躇していた若返りへのチャレンジをはじめてみましょう。そして、それも人と競争をせずに、まず自分らしく、無為自然に、無理のないところから一歩を始めてみようではないですか。そうすれば、きっとあなたの人生に毎日少しずつ楽しい変化が見えてくることでしょう。
- 1
- 2