美容としての自毛植毛|コロナ禍で変化する薄毛治療と、新たな活用法
植毛の進化論「薄毛は隠すから治す時代」へ 〜自分に合った治療法の見つけかた〜
今や一般化したとも言えるリモート環境では、主に胸から上だけが映る状況で自分を表現する機会が増えている。そんな中、リモートをきっかけとした「髪の悩み」についても変化が起こっているという。
『本気で薄毛に向き合う人が読む本』(KKベストセラーズ)の著者であり、自毛植毛の権威とも称される「親和クリニック」の総院長・音田正光医師(以後「音田氏」と表記)に話を聞いた。
■リモート環境が生み出した植毛の美容ニーズ
コロナウイルスの感染拡大が第3波の様相を呈してきていることもあり、「リモート化」は今後も継続する可能性が高いと予想される。長期化したリモート社会は私たちの生活や仕事に「外見偏重」という変化をもたらしたが、人の第一印象を左右する「髪」に関しては、これまでと異なる悩みとニーズも顕在化してきているという。
「リモートが定着したことで『髪』が人に与える印象は格段に強まりました。その結果、従来の薄毛治療とともに女性の来院数や、生え際や額の形を整えたいというニーズが増えてきていると感じます」(音田氏)
リモート環境においては、その人が持つ雰囲気やニュアンスはあまり関係なく、モニターに映る顔が印象の9割を占める。ましてやマスク着用が事実上義務化された今は、鼻から上の「見た目」が第一印象に直結するため、髪の毛への意識が高まるのは自然な流れともいえる。しかし、なぜ女性が増えているのか。また、生え際や額の形を整えるというのはどういうことなのだろうか。
「ヘアライン(生え際)を下げることで額が狭くなり、小顔に見える効果が得られます。また、生え際を円形に整えることで、柔らかく若々しい印象になります。いずれも、リモートでの『映り』を気にされた方からのご相談が多く、これまでの薄毛治療とは異なる、いわば美容領域のニーズとも言えます。中には眉毛の植毛を希望する方もいらっしゃるなど、リモートをきっかけとした思いがけない需要に驚いていますが、私たちの自毛植毛技術がお役に立てるのであれば嬉しいです」(音田氏)
どうやら薄毛治療を目的として進化した自毛植毛は、「マイナスからの治療」だけではなく「プラスへの美容」としても活用されはじめているようだ。親和クリニックでの女性来院数は昨年比で約3%増、現在もゆるやかな増加傾向にあるらしい。
なお、生え際を1cm下げるのであれば、約1,000株の移植で施術時間はおよそ3時間。女性にとっては美容院感覚でカジュアルに施術を受けられることも、増加の理由だと考えられる。
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