【車いすのダイバー】エレベーターに鏡がある本当の理由♦電動車いすでシニアも活動の場が広がり、豊かで文化的な生活が可能に《前編》 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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【車いすのダイバー】エレベーターに鏡がある本当の理由♦電動車いすでシニアも活動の場が広がり、豊かで文化的な生活が可能に《前編》

寝たきりゼロの老後をすごす方法/その四

■氏が相棒に選んだ最強のマシンは?

 

タウニィジョイX PLUS+(写真・ヤマハ発動機)

 そこで私が選んだのは、もう一つの『タウニィジョイX PLUS+』。

 一人で動かすと言うよりも、介護する人が後ろでパネルを操作して、介護者が「車いすを押す大変さを軽減する」ことを狙ったものでした。

 車輪が小さくて、乗り手が手動で動かすのは無理なものでしたが、この機種はバッテリーをつけたままで32キログラムと、電動車いすにしては軽量。しかも、その場で360度回転することができて、小回りも効き、狭い通路でも入り込めるという特徴に優れていました。

 それと私は見た目で『タウニィジョイX PLUS+』が気に入り、この日から我が相棒となりました。乗り始めて3年半になります。これに出会ったおかげで、私の生活は圧迫骨折前の活動的な生活に戻り、精神も健やかになりました。

 一人で自由に外出できる喜びは、半端ありません。

 高齢になって、膝や腰が痛いとか、骨折の後遺症で前ほど自由に歩けないとかいうことで、外出できなくなった方たちにとって、電動車いすは再び世界を広げてくれる「有効なツール」だと思っています。

 月に1度、メンテナンスに来てくださっているメーカーの方が、「経産省が『のろーよデンドウ車いすプロジェクト』を始めたよ」という情報を教えてくれました。

 このプロジェクトに、とても期待していましたが、どうも内容をじっくり読んでみると、私の思惑との「大きなズレ」に気付きました。
 そこで正直な私の思いを、書いてみたくなりました。

(後編へ続く)

KEYWORDS:

ブログ「吉野由美子の考えていること、していること」

月刊『視覚障害-その研究と情報』

視覚障害リハビリテーション協会

 

著書・執筆紹介

日本心理学会 「心理学ワールド60号」 2013年 特集「幸福感-次のステージ」 
「見ようとする意欲と見る能力を格段に高めるタブレット PC の可能性」

医学書院 「公衆衛生81巻5号-眼の健康とQOL」 2017年5月発行 視覚障害リハビリテーションの普及

● 一橋出版 介護福祉ハンドブック17「視覚障害者の自立と援助」   
1995年発行

●中央法規出版 介護専門誌「おはよう21」2020年12月号から2021年4月号まで「利用者の見えにくさへの支援とケア」連載予定

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吉野 由美子

よしの ゆみこ

1947年生まれ。 視力と歩行機能の重複障害者。先天性白内障で生後6ヶ月の時から、7回に分けて水晶体の摘出手術を受ける。足の障害は原因不明で3歳頃から大腿骨が内側に曲がる症状で、手術を3回受けて、68歳の時に骨粗鬆症から腰椎の圧迫骨折、現在は電動車椅子での生活。
東京教育大学附属盲学校(現:筑波大学附属視覚特別支援学校、以下:付属盲)の小学部から高等部を経て、日本福祉大学社会福祉学部を卒業。
名古屋ライトハウスあけの星声の図書館(現:名古屋盲人情報文化センター)で中途視覚障害者の相談支援業務を行ったのち、東京都の職員として11年間勤務。
その後、日本女子大学大学院を修了し、東京都立大学と高知女子大学で教鞭をとる。2009年4月から視覚障害リハビリテーション協会の会長に就任する。2019年3月に会長を退任し、現在は視覚障害リハビリテーション協会の広報委員と高齢視覚リハ分科会代表を務める。(略歴吉野由美子ブログ「吉野由美子の考えていること、していること」より構成)

 

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  • 吉野 由美子
  • 1997.02.01