道を会得した人は、微妙玄通のような人
定本「老子道徳経」の読み方 早島天來編より 人生を最高に生きる老子の言葉 第二十七回
★人生に役立つ道
そしてこれは、国を治める、地域を治める場合だけでなく、もっと大きく私達の人生すべてに広げて考えると、とても役に立つ言葉でもあります。
たとえば、ある年齢をこえたら、若いころのように無理は禁物なのです。体調が良いときにこそ、冬の川を渡るように、体の声を聞きながら慎重に体をいたわることを忘れずに生活することで、健康を維持し、快適な生活が送れます。
また、まわりの人との関係も、四方を強国に囲まれた弱国のような気持ちで慎重にすすめれば、対立が起きることもなく、楽しく協力してゆけます。大きな仕事を為す人ほど、一歩出る勇気とあわせて、慎重さを常に忘れないものです。
そして更に、どこにいても、招待された客のように、こせこせせずに胸をはって重厚に笑顔でいることで、人間的な風格が加わることでしょう。あの人は堂々とされているわね、感じが良い人ね、となるのです。
そこで大切なのが、重厚に見せようと作為をしないことです。無理に立派に見せようなんて思わずに、ありのままの自分らしく素朴でいる、それが大切です。そうなると、本当に広い谷のように誰でも話しかけやすく、そばにいて息苦しくない、広々とした包容力が出てくるのです。そんな風に人生をすごし、年を重ねていけたら、あなたに待っているのは充実した豊かな晩年です。
さあ、慎重、重厚、素朴、広さ、その一つずつでも、今日からちょっと意識して実践してみようではありませんか。
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