竹内涼真、2017年を振り返るーーひよっこ、カホコ、そして陸王へ。
名実ともに「2017年の顔」となった俳優・竹内涼真。彼自身はこの1年をどう捉えているのか。独占インタビュー!
クールな眼差しと、時折り見せる優しい笑顔とのギャップが女性たちを夢中にさせた麦野初役も記憶に新しい『過保護のカホコ』。有村架純演じる、みね子と恋に堕ちるも、 実家との板挟みで思い悩む島谷純一郎役を繊細に表現し、老若男女を問わず全国から熱いエールが贈られた連続テレビ小説『ひよっこ』。それぞれ異なる魅力を持つ難役を同時期に演じることで、その名を広く世に知らしめた注目の俳優・竹内涼真。
竹内 SNSなどを中心に話題になった『カホコ』。物語の途中で(故郷に帰 り)いなくなったにも関わらず、それこそおじいちゃん、おばあちゃんからお子さんまで顔を知っていただけた『ひよっこ』。自分でも注目をしていただいているという意識はありますし、そういう波を逃さず乗っていきたいと思っています。同時に、 周りの期待にも応えなくてはいけない。その責任も感じています。
全国区となった今も決して浮かれることはない。自身が置かれた状況 を理解し、問題点を次に生かす。俳優デビューから4年とは思えない修正力の高さは、『カホコ』で脚本を務めた遊川和彦も認めるところ。
竹内 自分の思うような演技ができる時って、ほとんどないんです。自分なりのイメージはあるものの、そこに技術が全然、追いつかない。遊川さんや 監督たちからいただいたアドバイスをもとに、今は精度をもっと上げていこうと模索しているところです。
2017年は、ほかにも映画『帝一の國』や『ラストコップ THE MOVIE』も公開され、加えてバ ラエティ番組にも積極的に出演。直近では、あの白戸家の一員にも。その勢いは止まるところを知らない。
竹内 よく『忙しいですね』と聞かれま すが、〝大変だ〟とはあまり思わな いんですよね。もちろん、体力的にキツイときもあります。でも、どのみちやらなければいけないことだっ たらマイナスに考えても仕方がないし、だったら前向きに捉えた方がいいかなと。
波を逃さない。精度を上げるは、サッカーでよく聞かれる言葉。また「好きであれば大変だとは思わない」は、元日本代表の中田英寿さんも事あるごとに言っている氏の哲学だ。
竹内 何より好きな仕事だから、やり続けられる。それに、マイナスなこと を考えている時間がまずもったいないと思うし、もし気持ちが後ろ向きになっていると思えば、自分を変えていけばいい。そう自分に言い聞かせながら、とにかく前向きな方向へ持っていくようにしているんです。
そんな冷静かつ熱い思いを胸に、この秋は日曜劇場『陸王』で、役所広司演じる主人公と大きな関わりを持つ重要な役どころに挑んでいる。
竹内 怪我のため一度、一線を退いてしまった陸上選手の役で、僕自身も以 前、近い経験をしたことがあるため、 その苦しみや悔しさという感情がよ り理解できます。『ひよっこ』『カホコ』で貴重な経験をした後に、この役が巡ってきたのも何かの縁。今は3ヵ月間、全力で役と向き合って、 再起を懸ける(演じる)茂木とともに僕自身も飛躍していきたいです。