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「子供をもたない」が生む罪悪感の正体

ともに40代既婚、子ナシの3人が語りあった。②

私が「墓守娘」という感覚

サンドラ(・へフェリン:コラムニスト) でもやっぱり、お墓を守るべきという考え方がある。誰かが子供を産まないとその家が途絶えてしまう。「子供を産むべき」というプレッシャーを感じることはありませんか?

吉田 日本だとあるなと私は思っています。実は私は1人目の旦那さんは婿養子だったんです。なぜそうしたかというと父が1人っ子で、うちの名字を継ぐ人が他にいなかったから。姉もいるんですがその時は海外に行っていて、もう二度と帰ってこないだろうなと思っていました。でも父親は1人息子。その事実を私は勝手に背負ったんです。何となく私が「墓守娘」じゃないけど、そういう役割をしないといけないな。そんなことを20代のときに考えていたんです。でも親から「うちの家を継げ」とは1回も言われていないんですよね。自分の中での勝手な正義感。そういう正義感を今もどこか捨てきれていないのかな。

中川 それは社会からの圧力という話ですよね?

吉田 そうですね。親からというよりも世間ですよね。

サンドラ テレビの影響とかはありますか?

吉田 う~んテレビっ子ではあったんですけど。なんとなく全体的な雰囲気です。でも中川さんとサンドラさんと話をしていた時に「墓守とか血のつながりを大事にする感覚ってそんなにないよ」と教えてもらって、驚きがあった。

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吉田 潮

よしだ うしお

コラムニスト

1972年生まれ。おひつじ座のB型。千葉県船橋市出身。ライター兼絵描き。



法政大学法学部政治学科卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2001年よりフリーランスに。医療、健康、下ネタ、テレビ、社会全般など幅広く執筆。『週刊フジテレビ批評』、『Live News it!』(ともにフジテレビ)のコメンテーターなどもたまに務める。2010年4月より『週刊新潮』にて「TVふうーん録」の連載開始。2016年9月より『東京新聞』放送芸能欄のコラム「風向計」を連載中。著書に『幸せな離婚』(生活文化出版)、『TV大人の視聴』(講談社)、『産まないことは「逃げ」ですか?』(KKベストセラーズ)、『くさらない イケメン図鑑』(河出書房新社)ほか多数。本書でも登場する姉は、イラストレーターの地獄カレー。



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  • 吉田 潮
  • 2017.08.26