「お母さんの味」、まだ信じてるの? |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

「お母さんの味」、まだ信じてるの?

【ワンオペ育児】を藤田結子氏が徹底解説3/3

ワンオペ育児は社会全体の問題だ

シズカ…今までの話を聞いた限りだと、性別役割分担意識があるからこそ、ワンオペ育児になりやすい社会環境ができあがった、って考え方もできそうね。

藤田…そうした面もあると思います。だからこそ、ワンオペ育児は女性だけでなく男性にも考えてほしい問題です。

シズカ…でも現状だと、ワンオペ育児については女性向けのメディアか、新聞の生活面に掲載されることが多いのよね。

藤田…はい。もっと男性側にも周知されてほしいですね。

トオル…ここ数年は女性活躍政策なんかが話題になっていますけど、それを阻むワンオペ育児の問題は女性誌の中に押し込められている。なんだかすごい矛盾しているような……。

藤田…働く女性が増えると少子高齢化による労働力不足の解決にも繫がりますし、世帯あたりの収入も上がれば第二子の出生率も高まると予想されています。だからこそ、国も女性活躍政策が進めているのですね。それに関わりが深いワンオペ育児も社会問題として扱ってほしいところです。

トオル…でも、少なくとも僕は今日とても勉強になりました。漠然と将来は結婚するのかなって思ってたけど、結婚後の家庭での役割もリアルに考えたほうがいいのかも。

藤田…もっと多くの男性が、トオル君のように自分ごととして考えてくれるといいですね。

シズカ…私もワンオペ育児のニュースを見て、男性に腹を立ててばかりだったけど、性別役割分担意識は自分の中にもあることが分かりました。結婚後はパートナーとどんな関係を築いていくか考えさせられたわ。トオル君、八つ当たりしてごめんね。

トオル…(やっぱりそうだったんだ……)。大丈夫! 全然気にしてないよ! 先生、今日はありがとうございました。

シュール! 4コマ編もぜひご覧ください

KEYWORDS:

オススメ記事

藤田 結子

ふじた ゆいこ

明治大学商学部教授。東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒、米国コロンビア大学大学院で修士号を取得後、英国ロンドン大学大学院で博士号を取得。2016年から現職。専門は社会学。調査現場に長期間、参加して観察やインタビューを行う研究法を用いる。日本や海外の文化、メディア、若者、ジェンダーなどについてフィールド調査をしている。著書に『ワンオペ育児』(毎日新聞出版)など。


この著者の記事一覧

RELATED BOOKS -関連書籍-

ワンオペ育児 わかってほしい休めない日常
ワンオペ育児 わかってほしい休めない日常
  • 藤田 結子
  • 2017.06.21