仕事でワインを飲むとき、高確率でやっている「失敗」
男のためのハズさないワイン術②
デートや接待などで、ワインを飲むシーンが増えている近ごろ。ワイン独特のマナーを知らずにいると、無意識のうちに相手に失礼な行動をしてしまっているかもしれない。そこで、最新書籍『男のためのハズさないワイン術』(フォレスト出版)を発売したばかりの、ワインコンサルタントでワインソムリエの竹内香奈子さんに、ビジネスシーンでやりがちな失敗と、正しいマナーについてお話を聞いた。
◆「テイスティング」に気をつけて
仕事で食事をする際には、ただでさえ席次など気をつかうポイントは多いが、ワインを飲むシーンではさらに注意すべきことがあると竹内さんは言う。
「失敗しやすいのは、『テイスティング』のときですね」。
ワインをボトルで頼むと、コルクが抜かれたあと少量のワインがグラスにそそがれ、試飲を求められることがある。これが「テイスティング」と呼ばれる一種の儀式だが、ここでやってしまいがちな失敗とは何か。
「ソムリエ裁量のお店だと『テイスティングしてください』とよく言われますが、そのときに誰が飲むかは重要です。たとえば自分が接待する側、つまりホストだったとします。そして接待する相手、つまりゲストがワイン好きだった場合、『どうぞ(テイスティングしてください)』と、ゲストにテイスティングをすすめる人がいますが、これは絶対にやってはいけないこと。なぜテイスティングをするかといえば、『このワインは正常ですよ』という確認をするためなので、それをゲストにさせてしまうことは、毒見をさせていることと同じなんです」。
テイスティングの起源は、中世のヨーロッパにある。百年戦争でフランスとイギリスが争っていた時代に、互いに敵国の客人を招いた食事会を催すことがあった。その際、ワインによる毒殺を防止するために、招いた側の国の人間が、「毒は入っていませんよ」と示す目的で始まったという。まさに毒見だ。こうした由来を知れば、間違ってもゲストにテイスティングをすすめてはいけないことがよく分かる。
「ついワインが好きな人や、詳しい人にテイスティングをしてもらった方がいいのでは、と考えてしまう人もいると思いますが、そこは必ずホストである自分が行うようにしてください」。