ディズニーリゾート35周年以降「大転換」の可能性
開園35周年を迎える東京ディズニーリゾートの、緻密かつ大胆な方向転換
大切なのは「個性」を保ちながらの「変化」
ここで生まれるのは、映画の世界観を優先するあまり、東京ディズニーリゾートとしての「個性」が薄くなってしまうのではないかという懸念です。
前述したように、シーのオリジナルアトラクションで人気の高かった「ストームライダー」がクローズされた時や、20世紀初頭の米・ニューヨークの古き良き時代が再現されたエリア・アメリカンウォーターフロントに、突然、ポップな「トイ・ストーリー・マニア!」が登場した時には、少なからずパークファンの間ではネット上では議論がされていました。
というのも、元々東京ディズニーシーでは、テーマエリアやアトラクション、建物等の時代背景から細かな装飾にいたるまで、緻密に時代考証の上で設定されていました。そこに可愛らしいキャラクターたちを登場させた際、登場の設定がかなりアバウトな形で「上書き」されたことに疑問や不満を覚えるディズニーパークファンも少なからずいたという背景があります。
新しいキャラクターを登場させたり、映画の世界観を打ち出すことは、過去にはないおもしろい試みです。しかし、これまでのパークの歴史を大切にしていくという意味では、極端にひとつの方向性に舵を切らず、パークの「個性」と「進化・変化」の双方のバランスを考えていくべきではないかと思います。
まもなく35周年の節目を迎える東京ディズニーリゾート。これからも時代の流れに併せ、常に変化と進化を遂げて行くと思いますが、高橋氏の想いを引き継ぎ、ランドとシー、それぞれの個性を生かしながら、オリジナルの要素も大切にして行って欲しいものですね。
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