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スーチー氏「ロヒンギャ」解決を阻む3つの壁

【ロヒンギャ】を根本敬氏が徹底解説2/3

現実的な落とし所はあるのか

トオル…先生はスーチーさんをどう評価しているんですか?

根本100点満点はとてもあげられませんが、なんとかできることをやっていて、ぎりぎり合格点といったところでしょうか。彼女はこの問題の解決への強い意思だけはもっていて、そこが反ロヒンギャに発つ軍や多数派世論とちがうところです。

 ロヒンギャの状況をより一層悪くさせずに安全に帰還させることに取り組めるのは、今のミャンマーでアウンサンスーチーさんしかいません。国際社会全体に言えますが、彼女へのバッシングではなく、アナンさんの答申に取り組めるように彼女をバックアップする必要があるでしょう。ミャンマー国民の反ロヒンギャ感情とのねじれがあるとはいえ、それでもミャンマー国民から彼女は支持されている。言い方を変えれば、彼女は国民を説得できる立場にいるわけです。今後1~2年かけて難民が帰ってくることになるでしょうが、その際に正規の国籍を与えるかどうか、ここが大きな宿題となっています。

トオル…う~ん、でもさっきの「ロヒンギャ」という名前からして認めないという話を聞くと…

シズカ…そこが宿題にして、一番大きな壁な気がするわ。

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根本 敬

ねもと けい

1957年(昭和32年)生まれ。国際基督教大学大学院比較文化研究科博士後期課程中退。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授などを経て、上智大学外国語学部教授。専攻、ビルマ近現代史。


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