ロミロミはマッサージのテクニックだけではなかった
本場ハワイの「ロミロミ」の秘密。古代ハワイアンの正統後継者が伝える④
ロミロミには西洋文化流入前の源流がある
変化の兆しが見えてきたのは、戦後になってからでしょう。1960年代後半、当時の若者たちが王朝時代を生き抜いた祖父母から聞いた話をもとに、ハワイの文化をもう一度見直そうという動きが起こり、そのなかで長い歳月を経てロミロミという言葉が浮上してきました。
当時、ハワイ語の辞書をつくるために調査したところ、ハワイの伝統的な医術、薬草学などでもロミロミという言葉が使われていたことがわかりました。そこで、ハワイに伝わるヒーリング療法を行う医者をカウカ・ロミロミ(ロミロミの医者)と呼ぶようになり、その後、すべてのヒーリングの総称としてロミロミという言葉が使われるようになりました。
ハワイ復興運動の波によってアンティ・マーガレットやアンディ・モナ・シメオナなどロミロミ関係者たちが次々に人間国宝として表彰されたこともあり、ハワイの伝統文化そのものが注目されるようになりました。
ただ、カフナの間で守られてきたロミロミの技法や考え方が、表に出てきたわけではありません。アンティ・マーガレットは人間的にも愛にあふれ、とてもすばらしい方でしたが、熱心なキリスト教信者であったため、聖書の教えを通してロミロミを理解していったからです。
ロミロミは自然崇拝の中から生まれたマナの調整であり、まず宇宙エナジーを知るところから始まります。古代ハワイアンのスピリチュアリティでは、アウマクアという祖先の霊とつながるところに本質がありますが、一神教のキリスト教文化では大自然の波動とつながるということは伝わりにくい面があるのです。
私が皆さんにお伝えしたいのは、まだ西洋文化の影響を受ける前の、神様と人との距離が最も近かった頃のロミロミの源流です。オプフリも含め、テクニックとして整う以前の宇宙エナジーのエッセンスを感じとってほしいと思っています。
〈『ハワイ式腸のマッサージ』より構成〉
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