上原多香子と安室奈美恵を分けたもの “色”におぼれた沖縄アーティストの惨状 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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上原多香子と安室奈美恵を分けたもの “色”におぼれた沖縄アーティストの惨状

■“雑草”タイプではなかった後発組

 

吾未だ徳を好むこと、色を好むが如くなる者を見ず(論語)

 

 

 安室奈美恵さんは沖縄での下積みの時期を経て、着々とスターの階段を駆け上がっていった。彼女の真似をする女性達は「アムラー」と呼ばれ、一世を風靡した。

 そして、沖縄では彼女の後を追うように、アクターズスクールに通い芸能人を目指す若者が増えていった。それと同時にアクターズスクールの受講料ははね上がっていったらしい。私が聞いたところだと、全てのレッスンを網羅するコースの場合60万円から100万円近く必要だったようだ。つまりある程度お金に余裕のある家庭でないと、通わせるのが難しい状況になっていた。  

 そんな環境の中から生まれたのが、ご存知「DA PUMP」や「SPEED」といったダンスユニットである。どちらも安室さんのように歌って踊れるユニットである。

 安室さんが貧困をバネにしてのし上がる、パワーを感じさせるアーティストであったのに対し、後発の彼らは県内で有数の私立中高一貫校に通っていたり、比較的裕福な家庭のメンバーが多い印象だ。事実、後にお互いの交際が発覚した「DA PUMP」のISSAさんと「SPEED」の上原多香子さんは那覇市にある私立高校の出身である。甲子園出場経験を持つ、野球でも有名な興南高校だ。

 

次のページ「平成の火野正平」ISSA、そして上原多香子。

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琉球坊や

りゅうきゅうぼうや

1977年生まれ。沖縄県那覇市出身のライター。政治からナイト情報まで幅広く取材。現在は病気のため自宅にて療養中。


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