ディズニーリゾート 目指すのは「夢」か「利益」か
ゲストも気づいている「コスト削減」、その本当のねらいとは
恒常的に3000万人が訪れるパークへ
これまで順調に入園者数を伸ばしてきた東京ディズニーリゾートには、2020年中期経営計画の位置づけとして入園者数を恒常的に年間3,000万人レベルに定着させたいという目標があります。
具体策として、ディズニーランドでは2020年の完成に向けて、新しいファンタジーランドとして人気のディズニー映画『美女と野獣』をモチーフにした「美女と野獣の城」や街並み、屋内ライブシアターや新アトラクションの建設がすでに始まっています。また、トゥモローランドを中心に大規模工事が行われています。
また同時に、開園から約35年が経過したディズニーランドでは、老朽化に対応した施設の改修の必要があります。さらに東京オリンピック・パラリンピックを目前に、さらなるバリアフリーや多言語化へ対応したサービス施設やキャストの育成等、ハード・ソフトの両面での対応が必須となってきます。
ファンタジーランド、トゥモローランドにおける新しい開発には約750億円レベルのコストがかかります。さらに、テーマパーク用地の拡大の可能性も示唆されており、こちらも実施されるならば当然巨額の費用が必要になります。
このような点を考慮すると、前述したショー運営費の削減も、長期的に安定して多くのゲストが訪れるパークにするために、大規模施設やアトラクション等の開発に注力する方向にシフトしている……とも読み取れます。
ゲストの立場からすれば、できるだけ安く楽しみたいものですが、コスト意識の変化は、将来の発展へ向けたさらなる「大きな夢への投資」という意味があるのかもしれませんね。
来年4月に35周年を迎える東京ディズニーリゾート。今までも、そしてこれからも、「終わらない夢」を私達に見させてくれる場所であってほしいものですね。