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創価学会に救われるのは「不幸な人」なのか

「宿命転換」を必要とするのは誰か? 人間革命を読む③

創価学会の独自用語である「宿命転換」。この言葉に魅力を感じ、必要とするのはどのような人たちなのか。宗教学者の島田裕巳氏が新刊『「人間革命」の読み方』の中でこう説明する。

不幸な人間こそが「宿命転換」を必要とする

「宿命転換」が創価学会の教えのキーワードであるが、ここで重要なことは、宿命転換を必要とするのは、それを強く望むのはどういった人間なのかということである。

 平々凡々ではあるかもしれないが、一応幸福な人生を送っていると自他ともに認めるような人間は、そうしたことを強く求めたりはしない。現在の生活が、このままいつまでも続いてくれることを願い、転換が起こることを期待したりはしない。

 これに対して、不幸な境遇にある人間は異なる思いを抱く。その不幸は、生活の貧しさによるものかもしれないし、病に陥っていることから来るのかもしれない。あるいは、家庭を支えるべき人間が放蕩三昧を尽くし、家庭のなかで争いが絶えないことが不幸の原因であるかもしれない。

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  • 島田裕巳
  • 2017.12.09