ナイロンが生まれた瞬間、アウトドアの歴史が動いた!
【アウトドアアウター進化の歴史② 1838-1968:ハイテク黎明前期】
今やファッションアイテムの一つとしても僕たちの生活に欠かせない、
アウトドアアウターたち。黎明期から今に至る150年超の歴史の中で、それらはどう変化し、
進化を遂げてきたのか? アウトドアテクノロジーの進化を軸に、年代順に徹底解説!
アウトドアアウターたち。黎明期から今に至る150年超の歴史の中で、それらはどう変化し、
進化を遂げてきたのか? アウトドアテクノロジーの進化を軸に、年代順に徹底解説!
第2回は「ナイロンの誕生」。
第二次世界大戦中に開発された、軽量で耐久性が高いリップストップナイロンをきっかけにし、一般のアウトドアアウターにも化学繊維の波が押し寄せていく。
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ハイテク黎明前期
(1938年〜1968年)
ナイロン素材が発明され科学技術が進歩
アウトドアアウターもハイテク化へ
1938年にカローザスがナイロンを発明。その後、様々なタイプの化学繊維が作り出される。アウトドアブランドも次々設立され、リップストップナイロンや60/40クロスなど、ハイテク素材が採用され始める。
1952年生まれ
ケルティ
ーKELTYー
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バックパックスタイルを誕生させたパイオニア的存在
南カリフォルニアのガレージでディック・ケルティ夫妻によってスタート。アルミフレームパック、ウエストベルト、パッド入りショルダーベルト、ナイロンバッグなどを開発したバックパックのパイオニア的存在。
【ターニングポイント 1】
1963年
米国の歴史的偉業を支え続けて
ケルティのバックパックが注目される
1963年
米国の歴史的偉業を支え続けて
ケルティのバックパックが注目される
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こちらがケルティブランドの生みの親、ディック・ケルティ。自身も熱狂的なアウトドアマンだったことが妥協のない製品を完成させた。
1963年に初縦走を成し遂げたエベレスト登頂をはじめ、1966年のナショナル・ジオグラフィック南極大陸遠征など、米国の歴史的偉業はケルティとともに達成されてきた。
1952年生まれ
モンクレール
ーMonclerー
高機能ダウンを開発し、世界中の登山家から絶大な支持を獲得。その後は流行を取り入れたファッション性の高いダウン製品も創作。
1957年生まれ
コロンビア
ーColumbiaー
オレゴン州ポートランドにてポール・ラムフロムがハットカンパニーとして創設。その後多くの名作を輩出、屈指の巨大企業に成長。
1957年生まれ
カナダグース
ーCANADA GOOSEー
メイドインカナダにこだわり、カナダ・ナショナル山岳レスキューチームで公式採用されるなど、多くのプロフェッショナルたちが愛用。
1965年生まれ
シエラ デザイン
ーSIERRA DESIGNSー
1968年に発表された60/40マウンテンパーカは、当初と変わらない素材&デザインで現在でも販売されているベストセラーアイテム。
【ターニングポイント 2】
1968年
シエラ デザインが60/40クロスを
使用したマウンテンパーカを発表!
1968年
シエラ デザインが60/40クロスを
使用したマウンテンパーカを発表!
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コットン60%、ナイロン40%からなる生地を意味するが、もっと正確に言えば、横糸にコットン58%、縦糸にナイロン48%を使った織物繊維。水を含むと横糸であるコットンが膨張して隙間を埋め、防水性を高めている。
ナイロン素材がアウトドアアウターの主軸になりつつあった1968年、アメリカのシエラデザインがハイテク素材にはない防水素材の60/40クロス(通称ロクヨンクロス)製のマウンテンパーカを発表。今日でも高い人気を誇る人気シリーズとなっている。
【アウトドアアウター進化の歴史】
ここではアウトドアのテクノロジー進化を軸に、160年以上あるアウトドアの歴史を大きく4つの時期にセグメント。ナイロン素材が全盛となる1920年までをクラシックアウトアドア期、それからゴアテックスが登場する1975年頃までをハイテク黎明期、その後パタゴニアのフリースが開発され、アークテリクスが設立されるなどの2000年頃までをハイテク進化期、そしてハイテクの進化とともにクラシックに回帰する傾向も見られる2000年以降をクラシックアウトドアの再評価期と位置付けた。
ここではアウトドアのテクノロジー進化を軸に、160年以上あるアウトドアの歴史を大きく4つの時期にセグメント。ナイロン素材が全盛となる1920年までをクラシックアウトアドア期、それからゴアテックスが登場する1975年頃までをハイテク黎明期、その後パタゴニアのフリースが開発され、アークテリクスが設立されるなどの2000年頃までをハイテク進化期、そしてハイテクの進化とともにクラシックに回帰する傾向も見られる2000年以降をクラシックアウトドアの再評価期と位置付けた。