G-SHOCKの「デザイン」は誰がどうやって決めている?
【G-SHOCKの現場最前線③】累計1億本を突破したG-SHOCKに携わる現役カシオ社員を直撃!
3人目は、G-SHOCKの「デザイン」を担うキーパーソンを直撃!
カシオ計算機
時計事業部 企画統轄部
デザイン企画部 第二デザイン室
小島健二さん
成功の陰には、偉大な失敗作が
ーーG-SHOCKのデザインが世界において、独自性を確立した理由はなんでしょう。
小島 まず、デザインやコア技術において、独創性を持っていること。 そこに機能美を追求することで、競合のない独自性の高いブランドを確立できました。 次に、デザインの展開力の多さです。デザイン業界ではカラー、マテリアル、フィニッシュの頭文字を取ってCMFと呼ぶのですが、 常に膨大なCMFサンプルの製作調査を継続しているG-SHOCKには、幅広いユーザーの方々への沢山のアプローチ方法があるんです。 日本をはじめ、グローバルで受け入れられているのはそのためでしょう。
ーーG-SHOCKのデザインコンセプトは、どうやって決めているのですか。
小島 ファッションからスポーツ、様々な市場やトレンド調査を徹底しています。多方面からより多くの情報を集め、それをデザインにフィードバックしています。G-SHOCKは、タフネスという絶対テーマがあり、絞り込まれたターゲットユーザーのニーズを確実に理解していなければいけません。だから、市場調査とともにデザイナー自身が専門資格を取ったりと、リアルな体験を心がけています。
ーーそんなことまでやっているんですね。
小島 G-SHOCKのデザインチームは、とてもユニークな人たちが多く、個性やこだわりがとても強いんです。
ーー機能を追求すると、沢山の制約がありそうですが。
小島 デザインを考える上では、必ずしも既存技術や構造の制約が絶対ではありません。デザインから新しい構造が生まれ、構造特許を取得した例もあります。アイデアの段階では、あらゆる可能性は許容されているのです。もちろん、G-SHOCKらしさは失えません。極微細な部分で、けれども斬新なデザインを探して日々切磋琢磨しています」
ーーG-SHOCKデザイナーならではの悩みはありますか。
小島 G-SHOCKはタフなので、故障が原因の買い替えが少ないんです。既に持っているというユーザーに、もう1個欲しいと思って頂けるデザインを考えなければいけません。累計販売台数1億個を達成し、デザイナーとしては、喜びと同時に身が引き締まる思いです。
ーーこれまで失敗作も沢山ありましたか。
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