G-SHOCKの「デザイン」は誰がどうやって決めている?
【G-SHOCKの現場最前線③】累計1億本を突破したG-SHOCKに携わる現役カシオ社員を直撃!
小島 むしろ失敗作の方が多いのではないでしょうか。G-SHOCKはサンプルをとにかく沢山作りますから。特に昨今は3Dプリンターの進化などで、サンプルを作りやすくなっていますからね。だから、デザイナーのデスク周りには、過去の失敗作が大げさじゃなく山積みされていますよ。捨ててしまわないのは、そうした失敗作が、後の新企画のヒントになり得るからなんです。あまり大きな声では言えませんが、各デザイナーにはそれぞれ偉大な失敗作があって、中にはケースに入れて飾っている人もいます(笑)。マニアの方が見たら、喜ぶでしょうね。
ーートンデモなアイデアが出たりしたことはありますか。
小島 話が脱線し続け、最終的には耐衝撃性構造を抜いたら、こんなデザインが生まれる…、なんて話になったこともあります(笑)。
ーー膨大なモデル数があるG-SHOCKですが、小島さんの中でのベストデザインはどのモデルですか。
小島 やはり5600系です。どこを見ても無駄がない、黄金比と言えるでしょう。これまでなんとかその壁を破ってやろうと、様々なアプローチで手を加えたのですが、やっぱり元のデザインを超えられません。マスタピースである5600系を超えるモデルを作ることが、G-SHOCKに関わるデザイナーの目標です。
ーーこれからG-SHOCKのデザインはどうなってゆくのでしょう。
小島 35周年という節目を迎えたG-SHOCK、止まる事のないタフネスデザインの進化により、ユーザーの皆様に更なる驚きが提供できるよう、 日々新たなデザインを追求し続けていきます。ご期待ください。
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